副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2007年3月5日

副作用モニター情報〈263〉 ビスフォスフォネート製剤(骨粗鬆症治療剤)の副作用

 2005年1月から2007年1月までにビスフォスフォネート製剤による副作用が98件報告されました。アレンドロ酸ナトリウム水和物(ボナロン・フォ サマック)によるものが83件、リセドロン酸ナトリウム水和物(アクトネル・ベネット)によるものが15件で、その内、消化器系の副作用が74件で、全体 の76%を占めています。
〔症例1〕ボナロン服用21日目までは、胃痛などの症状はなかった(服用方法は遵守)。26日目ごろから胃部不快感があり、32日目に自己判断で中止。その後、症状は少しずつよくなった。
〔症例2〕ボナロンとアスパラCaを服用していた。13日目に口内炎ができ、胃腸の調子も悪化(服用方法は遵守)。服用20日目、口内炎は治らず、舌も白くなり痛み始める。ボナロン中止後、症状は次第に軽減した。

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 上記の2例とも「起床後、すぐコップ1杯の水で、噛まず、溶かさず、すぐに飲み込む。服用後30分は横にならず、食事もさける」という服用方法を守っていても副作用が発現しました。メーカーによると、消化器系の副作用発現までの期間は「1週間以内」がもっとも多いといいますが、100日以上経過して発現 した症例も報告されています。副作用のチェックは継続することが必要です。
 2006年11月にビスフォスフォネート製剤の重大な副作用として「顎骨壊死・顎骨骨髄炎」が追記されました。その症例のほとんどが抜歯などの歯科処置や局所感染に関連して発現しています。
 また、多発性骨髄腫や乳癌・前立腺癌の骨転移などによる高カルシウム血症に対して、静脈内投与された症例がほとんどです。
 しかし一方、骨粗鬆症に対する内服治療でも報告があります。骨粗鬆症治療の母集団から考えるときわめて稀な発症(国内では4例)ですが、重篤な副作用です。使用中に口腔内の異常(歯のゆるみ、歯が浮いた感じ、顎のしびれ・痛みなど)が現れた場合は、ただちに歯科、または口腔外科の受診をすすめることが重 要です。

(民医連新聞 第1399号 2007年3月5日)

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