医療・福祉関係者のみなさま

2010年8月2日

看護師受け入れに全力 拡大看護委員長・看護学生委員長・教務主任合同会議

 全日本民医連は六月二二~二三日に第一回拡大看護委員長・看護学生委員長・教務主任合同会議を開き、約二〇〇人が参加。情勢の認 識を一致させ、第三八期のまとめから引き出した課題と第三九期の方針を確認し、新卒看護師受け入れ活動を前進させ、一〇〇〇人の峰を越える「V字回復」を 図るための意思統一と経験交流を行いました。

 窪倉みさ江副会長が看護をめぐる情勢をもとに問題提起。特定看護師(仮称)について「准医師資格と も言えるような内容で、看護本来の業務をくつがえすもの。容認できない」とのべ、背景にある医師・看護師不足の解消に向けた運動の強化を提起しました。ま た、今年度に努力義務となった「新人看護職員研修事業」の問題点を指摘。看護基礎教育については学費問題も含め総合的な改善を求めていく必要があると指摘 し、さらに第三九期の重点課題六点の柱を提起しました。
 日本赤十字看護大学教授の川嶋みどりさんが「看護の専門性とは何か」と題して記念講演。「特定看護師養成が動き出し、看護界は大きく揺れている。六〇年 余の看護の自立をめざす苦闘の歴史をふまえ、看護の原点に帰ることが必要」と話しました。「療養上の世話、手を使ったケア、患者によりそい自然治癒力を高 める看護実践の蓄積にこそ専門性があり、看護の役割拡大が自立への道ではない」と強調しました。
 看護学生委員長の野村鈴恵さんが「新卒看護師受け入れ調査」を報告。「二〇一〇年は、九二六人でV字回復の傾向を示し、前進の特徴として、(1)奨学生 からの紹介、(2)民医連看護への共感、(3)よい臨地実習、(4)自治体などとの共同、(5)民医連らしい募集、(6)奨学生確保、(7)看対の強化、 の七点が教訓化されました。
 また、六人が指定報告しました。
 道北勤医協看護部長の南みゆきさんは「看護改善運動」について報告。〇七年に医師・看護師の大量退職、経営危機の困難に直面し、労働条件の改善、民医連 看護の押し出し、看護師確保、後継者対策、職場づくりを粘り強く改善してきたとりくみです。
 宮城厚生協会看護部長の熊谷正子さんは「看護師確保」について報告。法人の第一級課題と位置づけ、看護師確保対策委員会を発足させ、管理部・全職種参加 の看護師確保をすすめ、基本に立ち返る活動を強化し、〇七年二〇人から一〇年度は四五人が入職し、V字回復を果たしました。
 東京・健生会看護部長の櫛田葉子さんは働き続けられる職場づくり推進の一つとして「子育て支援」について報告。院内保育の内容を充実させ、「職場復帰に 向けてのプログラム」も実施して産休・育休後の復帰者を支援しています。
 京都民医連中央病院看護部長の橋本節子さんは「認定看護師養成・育成」について報告。認定看護師養成政策を常任理事会で決め、〇七年度から計画的に認定取得をすすめました。
 埼玉協同病院副総看護師長の宮川喜与美さんは「医師養成」について報告。卒後臨床研修評価を受審する中で「研修医の育成において看護師に期待される役割 が大きいこと、職種を超えて積極的にかかわる必要性を感じた」とのべました。
 京都民医連理事で全国看護を良くする会代表委員の酒井富喜子さんは、六月に行われた看護協会総会について報告し、今後も看護協会とかかわっていくことが重要と話しました。

(民医連新聞 第1481号 2010年8月2日)

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