医療・福祉関係者のみなさま

2010年8月16日

初の「水俣病瀬戸内検診」 岡山県で―中国四国地協

 中四地協は七月二五日、水俣病瀬戸内検診を実施しました。この地域では初めて。会場は医療生協みずしま診療所(岡山県倉敷市)で、二〇人が受診し、うち一五人が保健手帳を申請し、一人が「特措法」にもとづく申請をすることになりました。
 今回の検診にあたっては、岡山や熊本、鹿児島などの新聞に案内を載せてもらい、大阪での近畿検診に間に合わなかった人にも知らせてもらいました。受診者 は岡山県在住者が一四人と多く、ほか大阪、兵庫、熊本、神奈川などから来た人もいました。
 受診者からは「長年しびれやこむら返りなどの症状があったが、あたりまえだと思っていた」「何の病気かわからず困っていた」などの声がありました。
 瀬戸内海地域をはじめ中国四国には、昭和三〇~四〇年代の集団就職を中心に不知火海沿岸からの移住者がいます。しかし、水俣病についての情報が乏しく救 済制度も知られておらず、相談するところもない実情がうかがえました。
 検診には、熊本から積豪英医師はじめ五人の応援がありました。検診前日のオリエンテーションや懇親会では熊本の参加者からじっくりと話を聞くことがで き、勉強になりました。制度の複雑さや病態解明がすすんでおらず、国と原因企業の責任追及にも多くの問題が残されていることに驚き、私たちの果たすべき役 割について考えさせられました。
 当日は、医師五人、看護師五人が検診にあたり、問診担当として一〇人のスタッフが参加しました。山口民医連からの参加者は「周囲の目が気になり申請をた めらっていた方もおり、難しい問題だと感じた。八月二八日には山口でも検診を行うので、今回の経験を生かして救済につなげたい」と感想をのべていました。
 検診が終わった後も三件の問い合わせがありました。長年苦しんできたという訴えを聞くたびに、引き続くとりくみが必要との思いを強くしています。
(大坂圭子・岡山民医連事務局)


 【国の認定に異議】水俣病関西訴訟で被害を認められた女性が、患者認定申請を熊本県が棄却したのは違法として、国と同県に処分取り消しを求めた訴訟で七月一六日、大阪地裁は国の認定基準は「医学的正当性がない」とし、女性の認定を命じました。

(民医連新聞 第1482号 2010年8月16日)

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