事業所のある風景

2009年6月15日

徳島/健生きたじまクリニック 地域に根ざし、「すくすくネット」を切り開く

 当クリニックのある北島町は、徳島県東部海岸の北半分に位置し、吉野川が紀伊水道に注ぐ河口に生じた三角州性平野のほぼ中央を占めています。徳島市、鳴門市に隣接し、近郊住宅地の機能も果たしています。人口は2万1700人、総面積は8.77平方キロメートルです。

県北・北島町に2006年9月にオープン

 徳島県民医連の小児科は1983年7月に徳島健生病院に開設され、当時1日数人の外来患者数から出発しました。患者数も増加し、1997年11月に外来 部分を健生小児科クリニックとして立ち上げ、他の診療所にも小児科外来の単位を設置するなど広げてきました。しかし、少子化が進み、医療技術等の発展によ る小児入院需要の低下もあり、医師をはじめ、職員と組合員の力が十分に発揮できる急性期医療とアレルギーなどの専門医療、子育て支援機能を合わせ持ったク リニックを北島町に建設しようということになりました。建設委員数人と職員で事務局を立ち上げ、2005年11月、第48回総代会で議決され、組合員増や しや宣伝活動を重ね、2006年9月にオープンしました。

こんなクリニックをつくります

 私たちは次の4つの大きな柱(思い)をめざします。
 (1)安心してかかりやすい。待ち時間や院内感染予防対策などの安全に対する精神も含まれています。(2)確かな医療の追求。健康の疑問や不安などには 正確にすばやく答えていく必要があります。(3)患者の権利を尊重。子どもの権利を大切にし、虹の意見箱を積極的に活用し実態や要求をしっかりとつかむこ と。(4)地域でのつながりを重視。あらゆる事業所や諸機関とも手をとりあって地域の発展に寄与することは大きな役割です。どの柱も当然のことですが、決 して忘れてはいけない重要な柱で、どれが折れても成り立ちません。

展望を確信につなげるために

 4つの柱を基本に、小児の急性疾患患者に加え、家族の受診も増えています。慢性疾患医療は、定期的な学習を行い、アレルギー、肥満や便秘、夜尿、漢方治療などの特徴的な外来も前進しています。
 保健予防では、予防接種ワクチンも積極的に取り組み、助産師2人による母乳相談外来も少しずつ広がりを見せ、乳幼児健診は実施日を増やしています。3歳 児健診は北島町から2007年度に続き、年間委託を受けています。携帯電話を利用したオンライン予約順番システムはようやく軌道に乗り始めました。
 まだまだ私たちの活動の根本である地域の支部や班活動に足が踏み出せていないのが現実です。ボランティアや子育て支援サポーターの養成などは、粘り強い働きかけが必要となってきます。

「すくすくネットワーク」の拠点として

 子どもたちや家族・地域を取りまく環境は、医療・福祉などの制度改悪による受診抑制、医師不足という困難な状況にあります。ニーズに十分応えられない面 もありますが、民医連診療所の存在意義と役割を再認識し、地域と連携を深めながら力を合わせて「すくすくネット」を築き、子育てや暮らしの情報・相談機能 をもつ子育てセンターづくりをめざし、発展させていきます。
健生きたじまクリニック 事務長 加賀美 憲司)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2009年6月号.No.442より

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ