医療・福祉関係者のみなさま

2010年9月6日

将来を語り合った夏 医系学生のつどい 全国各地で開く

 今夏も医学生・歯学生や看護学生のつどいが開かれました。学校や県を超えて交流し、楽しく活発に学びました。
 (東海・北陸地協と九州・沖縄地協の看学生のつどいは次号に掲載します)

医学生のつどい

 今年は「介護・福祉」を学びのテーマに開催しました。三月に仙台で行った第三回実行委員会のフィー ルドワークで、利府町にある介護老人福祉施設「十符・風の音」を見学。その人らしく生きることを保障する施設づくりや介護のあり方が実行委員に強烈な印象 を残し、テーマが決まりました。
 つどいは八月一六日からの三日間、宮城県仙台市で開催しました。メイン講演は、東京の健和会・看護介護政策研究所所長で、訪問看護師の先駆けとして仕事 をされてきた宮崎和加子さん。訪問看護や介護の仕事を通じて、地域の多様な人たちのさまざまな要望に応えることの楽しさややりがいを語りました。
 つどいの中で、各地の奨学生活動や、実習を通じて学んだ介護・福祉についても交流。医学生がなぜ介護の問題を学ぶ必要があるのか、介護をめぐってどのよ うな問題があるのか、医師としてどのようなかかわりが求められているのかなどを深めました。
 今年は、医学生一八〇人をはじめ、医師や共同組織・介護関係の職場などからの助言者など、総勢四三〇人をこえる参加がありました。
(全日本民医連理事、徳山通)

歯学生のつどい

 八月七~八日、東京で開催し、学生・職員合わせて二五人が参加しました。テーマは「接遇 ~患者さんに笑顔で帰ってもらうために~」。
 講演は総合教育コンサルティングの田中千惠子さん。講演は聴衆参加型で、歯科医療現場に求められる接遇、人間関係の基本、ホスピタリティを具現化するスキルについて学びました。
 その後、グループワークを行い、講演の感想や歯科医師になる自分の将来像を出し合いました。どのように目標を立て、どんなことをするかを、ブレーン・ストーミングとKJ法を用いて討議しました。
 「他の人の意見を聞くことで、講演で学んだことが鮮明に整理された」「大学の講義では聞くことができない内容が聞けた」などの感想が出され、学生同士が刺激し合った二日間でした。
(全日本民医連事務局員、松橋有沙)

看護学生のつどい 地協で

東北 第22回T6ENC

 八月六~七日、福島県で開催し、学生六九人、職員三三人が参加しました。今回は「Peace~過去、現在、そして未来へ」をテーマに、平和について学びました。
 一日目は会津若松市九条の会の事務局長・渡辺規雄さんが講演。観光都市のイメージが強い会津若松だが、軍都としての歴史があること、幕末の白虎隊が、軍 国主義化していった時代に戦意高揚に利用されたことなどについて話しました。その後猛暑の中、会津若松市内で戦跡フィールドワークを行いました。
 二日目は、鶴岡協立病院の本間優子さんがNPT再検討会議に向けた国際行動に参加した報告をしました。それを聞いてグループごとに討論し、未来に向けて 自分たちにできることは何か、いのちと平和について考え合いました。また、レクリエーションや交流会もとても盛り上がり、県や学校をこえた交流が深まりま した。
(福島県民医連、町田理恵子)

北関東・甲信越地協 第2回NEF

 八月八~九日、新潟県で開催し、学生八一人、職員三四人が参加しました。
 学習テーマは「ターミナルケア」。石川・城北病院の大野健次院長が、「笑って死ねる病院から民医連を考える」と、終末期医療について講演しました。
 講演後に討論し、参加者から「終末期の患者さんに良い診療をしたいが、制度が整わなければ良い活動は続けられない」「終末期の看護は難しいが、患者さん の希望が叶えられるような看護をしていきたい」などの感想が出されました。
 夜は交流会で仲良くなり、二日目は県連ごとに発表を行いました。
(新潟・下越病院、長井悦子)

関東地協 第20回NEF

 八月八日、東京未来大学の体育館を会場に行いました。参加者は学生九四人と職員三四人で、約九割が奨学生でした。
 今回は、「笑って死ねる病院」のDVDを観た後に、石川・城北病院の青木静子看護師長の講演を聞きました。患者の最期の願いを叶えるために、病院を挙げ てとりくんできた歴史や、テレビ取材の裏事情などを、ユーモラスかつ元気に話してくれました。
 グループワークでは、「自分も患者のためにできることをしたい」「入院期間が短縮されてしまい、実際には困難では」など真剣な討論が行われ、民医連の看護奨学生としての自覚を強める内容でした。
 後半は、実行委員たちが準備してきた交流企画で身体を大いに動かしました。
 この間、奨学生ではない一般の看護学生の参加が減っています。学生の力を引き出す方向で、NEFの内容をもっと検討することが今後の課題です。
(東京民医連、工藤貴美子)

近畿地協 第8回ENS

 八月八~九日、兵庫県内で開催し、九一人の看護学生と職員四一人が集いました。今年のテーマは「友だち一〇〇人できるかな 絆(きずな) 仲間といた夏2010」です。
 学習企画は「虐待について」。京都造形芸術大学の浦田雅夫専任講師が講演。スクールソーシャルワーカーでもある浦田さんは、事例をもとに、当事者の視点 から虐待が起こる背景を解説。医療現場でできることや看護師に期待することを語りました。その後のグループワークでは、講演の感想や看護師になる自分に何 ができるかなどを出し合いました。
 夜の肝試しや翌日のスポーツ企画も盛り上がりました。参加者から「虐待に早く気づける看護師になりたい」「親も子も両方救わなければ」「看護師をめざす 者同士で交流でき、自分もがんばろうと思った」などの感想が出されました。
(各県連ニュースより)

中国・四国地協 第7回DANS

 八月七~八日に広島市内で開き、看護学生八九人、職員三九人が参加しました。テーマは「核兵器のな い世界をめざして Face to face ~鳩♡(ハート)でつなぐ平和のリレー~」。平和記念資料館の見学や碑めぐり、被爆体験の聴き取りを通じ、 平和や戦争体験の継承について考えました。
 学習企画では、声優・堀絢(じゅん)子さんのひとり芝居「朝ちゃん」を観劇。原爆に灼かれた少女の無念さと母親の悲しみが胸に迫る内容でした。
 また、五月のNPT再検討会議への要請団に参加した被爆者の大越和郎さんが、「署名は世論を動かす力になる。核兵器のない世界にむけて運動を続けてほし い」と訴えました。グループ討議では、「体験を直接聴ける最後の世代として、しっかりしたい」などの感想を交流しました。
 交流会では恒例の県別対抗「白衣のファッションショー」などで盛り上がりました。分科会では一〇演題が発表され、学生たちが主体的に学んできた成果を交流し合いました。
(広島民医連、西村峰子)

(民医連新聞 第1483号 2010年9月6日)

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