事業所のある風景

2009年8月15日

宮城/しばた協同クリニック・デイサービスセンターあおぞら 健康まつりは地域最大のおまつりに

2カ月で2000筆の署名が集まって

 宮城県の南部、柴田町に医療生協ができてから14年になりました。地域との密接な連携のもと、地域に支えられた診療所にしたいとの思いで、法人形態は医 療生活協同組合が選ばれました。民医連職員と地域住民との協同の医療生協の賛同署名は2カ月間という短期間で、設立条件の2000筆以上が集まり、 1995年7月7日、医療生協の設立が認可されました。翌年の9月1日に、しばた協同クリニックがオープンしました。「県南に民医連の診療所を作ろう!」 との宮城民医連の方針と「柴田地域に患者中心の医療機関がほしい」との地域の声が実現した日でした。

経営危機を乗り越える中で

 診療所は将来の病院化も展望し、CT、内視鏡を導入。重装備の診療所として循環器専門医の山﨑医師をはじめ、看護師3、臨床放射線技師1、事務3のス タッフで期待を胸にスタートしました。開設当初は大幅な赤字で、経営危機に陥りかけましたが、翌年の秋に医療生協の役職員や民医連の職員が一緒に地域に出 て、組合員増やしや増資の大運動を展開しました。組合員も「せっかくできた私たちの診療所をつぶしてはならない」と大いに燃えて参加しました。
 この取り組みの中で、理事会と職員、組合員の相互信頼が高まり、組合員や出資金も大きく増加し、患者も増え、その年の11月には単月利益をだすまでに経 営も改善しました。これ以降、しばた協同クリニックは地域での信頼が広がり、経営も順調に推移していきます。山﨑医師をはじめ職員の奮闘で2002年には 1日平均患者数が110人(多いときは1日170人)、待ち時間短縮で様々な工夫をしても3時間待ちも珍しくないという状況でした。その後医療制度の改悪 による受診抑制の影響や持続的診療体制をめざした窓口縮小などもあり、患者数は徐々に減少し、現在は約90人になっています。

利用者中心のデイサービスを

 2005年には所長が交代し、消化器専門医の北條医師が赴任しました。さらにクリニックの評価は高まっています。2005年4月には全組合員アンケートなどを通じて2年近い検討と準備を経て定員25人のデイサービスセンターあおぞらがオープンしました。
 医療生協ならではの「利用者中心のデイサービス」をと、あえて7人全員初心者でスタートしましたが、計画通りには利用者は増えず、軌道に乗ったのは4年 を経過した2008年からでした。経験不足の上、制度の改悪や小規模事業所から通常規模への変更などもあり、悪戦苦闘し、やっと2008年度に利用者増で 収支均衡となりました。

地域活動が活発に

 医療生協の設立準備段階からはじめた地域活動はここ2~3年飛躍的に活発化し、年間200回近い班会や8つの地域単位のブロック活動が大きく前進してい ます。また「健康で住みよい街づくり」をテーマにした健康まつりは12回となり、今では組合員はじめ地域住民が2000人以上も参加し、地域の一大交流の 場となり、柴田町最大のおまつりになっています。
 私たちは21人という少ない職員集団ですが、それぞれ医療や介護の業務で多忙を極める中、精一杯地域活動にも取り組み、これからも頑張りたいと思います。
みやぎ県南医療生活協同組合 専務理事 渡辺 建寿)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2009年8月号.No.444より

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