事業所のある風景

2009年10月15日

兵庫/潮江診療所 地域の保健・医療・介護・くらしのセンターとして

 潮江診療所は、兵庫県尼崎市の東部にあり、大阪府と隣接。最寄り駅であるJR尼崎駅前は都市開発が進み、街並みが大きく変化していく中、診療所は、駅から少し離れた閑静な住宅地の中に建っています。そこは古い街並みと新たな街並みが融合した地域です。
 近くには、江戸前期に活躍した浄瑠璃・歌舞伎狂言の作者で「世継曽我」「曽根崎心中」「冥土の飛脚」で有名な近松門左衛門の墓がある広済寺と近松記念館、日本庭園のある近松公園があります。

開設45年・新築移転10年を迎えて

 潮江診療所は、1964年5月に開設。長い間、市場の2階を借 り、80坪ほどの狭いスペースで診療を行っていましたが、患者も増え、組合員から「自分たちの土地・建物の広い診療所がほしい」という要望が大きくなり、 移転を計画。建設運動は、組合員が地域を駆け回って土地を探すことから始まりました。現在の土地に新築移転してから今年で10年を迎えました。
 組合員念願の新築移転ということもあり、「創ろう!私たちの診療所」をスローガンに、移転地周辺地域を知るところから始まり、敷地の有効利用や施設内レイアウトまでワークショップ形式で多くの組合員の要望や夢を取り入れた診療所が完成しました。
 敷地内には庭園があり、園芸ボランティアを中心に組合員が自分たちで花を育てています。その庭園を望める待合いは、木材が多く使われ落ち着いた雰囲気、木製のテーブルといすが設置されており、おしゃれな喫茶店と間違えてしまうような空間となっています。
 移転を前に始まった「健康福祉まつり」も今年で12回目を迎えます。毎年1000人が参加する地域の恒例行事となっています。今年は診療所の移転10周 年を記念し、例年の倍である2000人参加を目標に、この10年をお祝いし、新たな10年を迎えるイベントと位置づけ、準備を進めています。

総合的な事業活動で生涯健康管理をめざして

 診療所1階で、医療、健診、保健事業。2階では、通所介護、居宅介護支援、介護予防フィットネス、メディカルフィットネスを行っています。
 患者件数は、月平均で1020件。慢患管理、健康診断に力を入れ取り組んできましたが、昨年度より保健分野を強化。保健師、管理栄養士の配置により、慢 性疾患患者を中心に保健指導や栄養指導による生活習慣改善サポートや健診受診者への特定保健指導にも力を入れています。また、健康運動実践指導者を配置 し、生活習慣病患者やその他の患者、組合員へのメディカルフィットネスを実施。要支援の方を対象に、介護予防フィットネスも実施しています。
 保健・医療・介護分野における総合的な事業活動により、地域の組合員や住民が、ずっと健康に楽しく暮らしていけるよう生涯健康管理をめざしています。

無料低額診療事業を開始

 2009年3月から無料・低額診療事業を開始。現在、11世帯 (24人)に無料・低額診療を適用中。まだまだ適用者の数は少ないですが、この事業を活用することにより、診療所職員・地域の組合員が、患者や利用者、地 域住民で困っている方や悩んでいる方に積極的にアプローチできるようになりました。
 また、無料・低額診療による医療費の免除だけに止まらず、低年金問題や借金、就職などの様々な相談内容にも対応、生活全般をサポートできるよう取り組んでいます。
潮江診療所 事務長 前川 誠)

 

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2009年10月号.No.446より

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