憲法を守ろう

2007年5月21日

9条は宝 発言(25) 落語も聞けない世の中にしない 福島・浜通り医療生協9条の会

 「一〇〇〇人の賛同者を募る!」。「浜通り医療生協9条の会」の代表世話人九人と一〇八人 の呼びかけ人が掲げている目標です。〇六年一二月、結成一周年を記念して「禁演落語を聞いて憲法を考えるつどい」を開催しました。日常のことから考え、多 くの人に広げる活動をすすめています。

禁演落語と憲法

 「禁演落語」を「禁煙落語」と勘ちがいし、たばこの話だと思った人もいたようです。演じること が禁止された落語があったなんて。それに、いま聞いてみると何ともないばかばかしいだけの話です。「戦争反対」の話でもないのです。戦時中、こんなものは 戦争の役に立たないなどの理由から禁止されたといわれていますが、実はそうされる前に落語家自身が、「いまのうちに封印するから勘弁してください」と上演 を自粛したそうです。口演禁止になった落語は五三題あるそうです。
 当日は、一三〇人を超える人が参加してくれました。参加者も事務局も立川談之助さんのおもしろい話に、大笑い。毎日、暗い話が多いですからね。
 九三才の組合員さんは「よかったよ、笑えたよ。戦争になったら、できなくなるもんね」と話していました。戦争を経験したこの組合員さんの感想は、まさし くその通りだったわけです。世の中が変な方向にすすんでいくから、九条がにらまれて目の仇(かたき)にされるのです。かつてあたりまえのことを言ったり、 やったりできなくされた落語家の様子を、談之助さんは笑いや世間話みたいに語りました。聞いていて、平和のありがたさを日常のことから考えることを教わっ た気がしました。
 現在、賛同者は職員や組合員さん合わせて二七〇人を超えています。これから賛同者を一〇〇〇人にするために、正しい情報や戦争体験者の話をニュースで知らせ、二周年にむけて、九条とからめた楽しい企画を考えます。

楽しく笑えるイベントを

 これまでに、靖国神社見学ツアーをしたり、九条の会ニュースを発行してきました。また、賛同者 には会員証を配っています。「私は九条の会の会員だ」と自覚してもらえますから。日々の活動も大事にし、節目節目に幅広くアピールするイベントも必要だと 思います。楽しくて腹の底から笑えるイベントがいいです。立川談之助さんに依頼したら即快諾でした。(天野 勉)

難しくない「九条の会」に

 「最近はせちがらい世の中で…」九条の会の創立総会(〇五年一一月)で、川端純四郎さん(東北 学院大学教授)は講演をこんな言い方で始めたのです。「憲法九条は二一世紀日本の宝」という題だったので、てっきり「九条というのは…」という話になるの かと思っていたので、みんな「おや?」と思ったようです。九条と全然関係ない話から始まり、自然と引き込まれました。
 内容は「アメリカの圧力やグローバリズムから、実は憲法変えろという要求が出ている。それにしたがう形で、いま政府は九条を変えようとし、様ざまな動き がでている」という話で、まさに日本の自発的なものではなくて、よそからきたものだと。「そうか、九条はそういう関係の中にあるのか」と思いました。実は 事務局員も引き込まれてしまって、テープレコーダーのスイッチを押すのを忘れてしまい、途中で気づいてあわてて押しました。

準備期間中にアンケート

 九条の会準備期間中に、外来でアンケート調査をしました。一カ月間実施して、三四四人の患者さ んに協力してもらいました。「自民党・公明党・民主党が憲法を変えようとしているのを知っていますか?」、「憲法を変えようとする昨今の状況をあなたは率 直にどう思いますか?」と質問しました。改憲に反対が一〇二件、賛成が二三件。賛成の中に「他国から攻撃されたら守るべきだから変えた方がよい」という意 見もありました。
 このアンケート調査を、冊子にして外来に置きました。患者さんや組合員さんには様ざまな意見があります。でも、一つ一つ分かってもらえれば、九条を変え ないですむと思います。九条を守ろうと言わなくてもいいような社会になってほしいです。(工藤史雄)


 

天野 勉さん (放射線技師)小名浜生協病院附属せいきょうクリニック
工藤 史雄さん (事務)浜通り医療生協

(民医連新聞 第1404号 2007年5月21日)

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