民医連新聞

2007年7月2日

庶民大増税は許せない! 市役所横「告発テント」に人、人、人 「国は税を戻せ」大宣伝 尼崎医療生協など地域の実行委員会

 二〇〇七年六月から、地方への財源委譲や定率減税の廃止などの影響で住民税(県・市町村民税)が昨年を上回る大幅増になりました。六月は国 民健康保険料の通知も届きました。尼崎医療生協や尼崎民商、生活と健康を守る会などがつくる実行委員会は、「大増税に反撃しよう」と六月四~五日と一三~ 一四日の四日間、尼崎市役所横の橘公園に「怒りの告発テント」を設置。市役所前では市民にビラを配り、署名や抗議行動参加を訴えました。全日本民医連も 「高齢者の生活を守れ、生活保護の拡充をめざした『強化月間』」のまっ最中です。(横山 健記者)

 一三日の朝九時、尼崎市役所の「臨時相談窓口」には不安げな顔をした人たちが詰めかけていました。順番待ちだけで六〇人は超えています。
 一〇時から始まった「怒りの告発テント」には、ビラを手にした人たちがどんどん集まりました。「ウチら庶民の生活をまったく考えてへん!」、「一万二〇 〇〇円が二万四〇〇〇円になった。なんでやの?」、「政府の責任や。けど市役所は、ウチらの文句を聞くのも仕事」と、口ぐちに怒りや嘆きをぶつけてきまし た。

「もっと怒らんと!」

 「どうにもならへんの?」と六〇代の女性は、住民税納付書をとり出しました。〇五年度は二万八〇〇〇円が、〇六年度に五万六六〇〇円、今年はなんと一二万六四〇〇円です。「生命保険はもう解約した」と、力のない声で話しました。
 朝から社会保険事務所とハローワークもまわったという六〇代の男性は「暴動を起こしたい気分や。国民はもっと怒らんと!」と一時間以上も、怒りを爆発さ せるようにしゃべりました。夫婦二人で月一二万円の年金生活。家賃や保険料などを払うと残りは二~三万円。妻は、まだ年金がもらえる年齢ではなく、足が悪 く働けません。「仕事もない。離婚すれば妻は生活保護がとれるはず…。とにかく介護保険課にも行ってくるわ」と市役所に向かいました。
 テントでは何十人もの高齢者や若いお母さんたちが署名し、安倍首相に抗議FAXを書きました。「FAXはちょっと…」と尻込みしていた人も、書き始める と怒りがこみ上げ、用紙は政府の政策を非難する文字で埋まりました。

自公政権の責任だ

 住民税や国保の「集団減免行動」を紹介すると「絶対に参加する。そのビラちょうだい」と約束した人もいます。いっしょに生活保護申請に行くことを約束した人は、この日だけで三人になりました。多くの人が、少しスッキリした顔でテントを後にしました。

 四日間の行動は、のべ一二〇人以上で担いました。「国保料を安く」「市民税増税反対」「後期高齢者医療制度の中止を」、の三種類の署名は合計九三二筆。手渡したビラは六七〇〇枚にのぼりました。
 尼崎医療生協職員の鈴木拓美さんは「ほとんどの人がビラを受け取りました。私が話した人は、住民税が四五〇〇円から三万四〇〇〇円、国保も二倍になっていました。去年以上にひどい増税です」と驚きました。
 同理事会事務局長の粕川(かすかわ)實則(みのり)さんは「相談に来た人は、怒り半分、あきらめ半分。来年も増税されるのでは、と危機感をもっ ています。ウソ・ゴマカシの自民・公明党の責任は重い」と憤りました。
 今後、実行委員会は、集団減免や分納、老年者非課税廃止の経過措置の活用を広げていきます。

(民医連新聞 第1407号 2007年7月2日)

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