民医連新聞

2007年8月20日

病床閉鎖を前に中堅職員が思い出語る 北海道勤労者医療協会 札幌北区病院

札幌北区病院は、八月末で病床閉鎖することを決めました。
 七月一一日の看護介護部門全体会議で、中堅職員一〇人が「私の北区病院での歩み」と題した研修レポートを発表。病院の歴史とともに歩んできた自分の学び や患者さんとのふれあいを、言葉を詰まらせながら語りました。
 岩佐雅寿さん(介護福祉士)は、食欲不振で入院、昼夜逆転・せん妄になった患者さんの事例を発表。「患者さんは、抑制しない当院を選ばれた。しかし、点 滴の針を何度も刺し直す苦痛を少しでも減らすために、手袋をはめられている姿を見た時、思わず『うわっ』と声が出た。これではいけない」と。その後、カン ファレンスや家族の協力で昼夜逆転とせん妄を克服。クリスマス会には、サンタに扮して笑顔をふりまくまでになりました。岩佐さんは「家族とスタッフがチー ムとしてかかわるようになり、望む最期を迎えられたのではないか」と語りました。
 今回は、職員以外に友の会会員さんにも参加してもらいました。病院設立にかかわった友の会役員さんは、「普段は病院に要求ばかりだが、みなさんの日常の苦労がよく分かった」と涙を流して感想を語りました。
 あと数日で病棟がなくなり、さびしさを感じています。しかし、職種を越えた民医連のチーム医療の意義や「ここで働いてきてよかった」と、実感できる学習会になりました。(福原正和、医師)

(民医連新聞 第1410号 2007年8月20日)

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