民医連新聞

2007年8月20日

声明 原爆症認定集団訴訟 熊本地裁の判決について

全日本民医連・原爆症認定訴訟支援医師団と全日本民医連被ばく問題委員会は8月3日、熊本地裁が7月30日に出した判決について声明を発表しました。以下要旨です。
 21人の原告中19人について、昨年の大阪地裁から連続して6度目の原告勝訴の判決を下しました。これまでの5つの判決同様、DS86による被曝線量評 価とそれに基づく原因確率の機械的適用を戒め、被爆状況、被爆直後に生じた症状の有無や程度、被爆前後の健康状態などを総合的に考慮すべきとした考え方は 定着したといえます。また、今回の判決は、放射性降下物の降下範囲を広く認定、内部被曝の影響、低線量放射線による長時間継続的被曝について、これまでよ り明確に認定した画期的な判決といえます。
 個別では悪性リンパ腫を含むがんや悪性腫瘍を認定し、前立腺がんでは医師団が提出した補充意見書や文献を採用しました。膀胱癌術後の貯尿袋の使用につい て要医療性を認めました。非がん疾患についても範囲を広げて認定しました。判決は証拠文献等を詳細に検討・引用し認定疾患の範囲を広げ、放射線の影響が否 定できない疾患は認定されるべきとした点で評価できます。
 2人の棄却の判断は納得できず、原告のうち6人は亡くなっています。国・厚労省が裁判を引き延ばすことは許されません。現行の「審査の方針」を速やかに撤回し、認定行政を改善することを求めます。

(民医連新聞 第1410号 2007年8月20日)

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