民医連新聞

2007年9月3日

フォーカス医療・福祉の実践(14) 共同組織といっしょに転倒予防教室 小グループの体験型が好評 信和会・京都民医連第二中央病院

 京都民医連第二中央病院・リハビリテーション課(理学療法士二三人、作業療法士一四人、言語聴覚士五人)では、七月二八日、第四 回転倒予防教室を、共同組織と共催で開きました。二~三人の小グループにし、体験型にしたことが好評だったといいます。関 恵美さん(理学療法士)、那倉伸治さん(組織課・事務)の投稿です。

専門性を地域に役立てたい

 当院では、患者さんや家族、地域の人に、病気や医療情勢のことを話す医療懇談会を各職場で開い ています。リハビリテーション課も、地域に貢献しようと考え、三年前から「転倒予防教室」を開いています。病気になった患者さんだけでなく、病気になる前 の予防にも、私たちの専門性を役立てたいと考えました。年一回の開催ですが、健康祭りの企画として実施することもあります。
 はじめは、講義形式の「教室」でしたが、スタッフが増えたので、昨年から小グループの体験型にしました。また、説明をポスター形式にし、よりわかりやすく工夫しました。
 「教室」の対象は、五五歳以上の障害のない人です。共同組織の機関紙に案内を入れ、ホームページやポスターで宣伝しました。参加費は共同組織の人は無 料、それ以外の人は五〇〇円(資料代)です。参加者のほとんどは共同組織の人ですが、それ以外の人もいます。

各コーナーをラウンドして

 今年は、七月二八日の一三時半からリハビリ室で実施しました。参加者は一八人(男性七人、女性一一人)で、平均年齢は七九・五歳でした。
 「教室」の目的は「自分のからだを知り、できることからはじめる」。目標は(1)自分の体を知ろう、(2)転倒に関する知識を身につけよう、(3)転ばないための体操をおぼえようです。
 参加者には二〇ページほどの冊子を渡します。二~三人を一グループにし、各グループに理学療法士が一人つきます。スタッフの案内でグループごとに、解説 コーナー、測定コーナー、体操コーナーをラウンドします。参加者は、渡された冊子に、学んだことや自分の測定結果などを書きながらすすみます。小人数で質 問や話もはずみ、すべてまわるのに一時間半ほどかかりました。
 アンケートには「とてもよかった」、「定期的に開催してほしい」という項目にチェックしている人がほとんどでした。また自由記載欄には、「みなさんがよ くして下さったので楽しかった。自分の体のことがわかってよかった」などの感想がかかれていました。リピーターの人もいたので、次回は、前回の測定結果と 比較できるようにしたいと思います。

解説コーナー

 ポスターや冊子を使って解説します。
 内容は、転倒しやすい人、転びやすい家をチェック、転倒予防に効果のある食生活、靴の選び方、正しい歩き方、転倒の原因となる作用(副作用)のある薬 物、骨粗鬆症予防、自宅でできるバランス訓練・ストレッチなどです。

測定コーナー

 骨密度と健脚度を測定します。
 健脚度は、(1)10m全力歩行、(2)最大1歩幅(左右)、(3)40cm踏台昇降、(4)つぎ足歩行の4項目を5段階評価し、体格指数(BMI)を 加えた6つの指標で、生活で行う移動動作の状態を評価します。詳細は「身体教育医学研究所」ホームページ(http://www.shintai-mimaki.ogr)を参照ください。

体操コーナー

 「こけまへんえ」体操と骨元気体操をします。
 「こけまへんえ」体操は、ストレッチとバランス能力維持に効果があるオリジナル体操です。骨元気体操は骨粗鬆症の予防体操で、筋トレにプラスして骨に刺激を与えます。どちらも継続して行うことが大切です。

(民医連新聞 第1411号 2007年9月3日)

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