民医連新聞

2002年3月11日

【特別決議】小泉内閣による医療改悪を阻止し、憲法の平和と生存権を守りぬくために、たたかいをさらに発展させよう

2002年2月23日 全日本民主医療機関連合会 第35回定期総会

 総会3日目、本会議で次の特別決議を採択しました。

 「償還払いになったら、もうおしまい。病院にかかれない。薬よりも毒を盛ってもらいたい」「リストラされ職がない。胃ガンがみつかったが手術は受けない。生命保険を、家族の生活費や子どもの教育費にあてるつもりだ」……
 小泉内閣が強行しようとしている医療改悪は、大不況のもとで苦しめられている国民のくらしと健康に追い打ちをかける空前の内容です。
 高齢者には、今年10月から1割定率負担を徹底し、そのうえ償還払い制度が押しつけられます。サラリーマンには3割負担だけでなく、保険料がボーナスを 含めた年収にかけられる仕組みがつくられます。診療報酬の改定で、6カ月を超える入院患者の医療費の一部が保険からはずされ、数万円という大幅な負担増に なります。診療報酬は初めて2.7%もの引き下げが行われ、医療機関の経営に深刻な影響を及ぼします。患者・国民にとって、安全・安心の医療の継続が重大 な危機に陥ることになります。
 一方、国家財政の医療への支出は大きく削減され、過去最高の利益をあげている大手製薬企業は、医療「改革」による「痛み」からはずされています。国の保 険財政への支出をもとにもどし、高すぎる薬剤費を引き下げれば、医療改悪の必要はまったくありません。

 私たちはこれまで、多くの国民とともに、かつてない規模と内容のたたかいをすすめてきました。マスメディアも活 用した大規模な宣伝や、回数で一万回、参加者数で10万人を超える懇談会が全国各地で行われ、新聞折り込みのチラシを見た国民から、悲痛な叫びと改悪への 怒りが記されたハガキが続ぞくと返ってきています。そして反対署名は1300万筆を超え、世論調査でも六割以上の国民が医療「改革」を評価しないと表明し ています。一万五○○○人の参加で成功した「2・14国民大集会」は、小泉内閣への追撃ののろしになりました。
 さらにいっそう、国民の圧倒的な世論と運動をつくりだし、医療改悪を中止に追い込むため、民医連運動の存在意義を発揮して奮闘しましょう。

 また現在小泉内閣は、昨年の同時多発テロ事件とアフガニスタンへのアメリカによる報復戦争をきっかけに、自衛隊 の海外派兵に続いて、今国会での有事立法の制定をねらっています。アメリカが起こす戦争に国民・医療関係者を強制的に動員するものであり、断じて許すわけ にはいきません。
 国民の医療・福祉の充実、生活向上にとって、軍事力の増強と戦争推進体制は最大の障害であり絶対に相いれないものです。すなわち、憲法が保障する平和と 生存権は、表裏一体のものです。この危機を打開するために、国民的な連帯と共同を急速に強めなければなりません。
 今こそ私たちは、285万を超えた共同組織の仲間と力をあわせ、医療改悪を阻止し平和と生存権を守りぬくため、たたかってたたかってたたかいぬこうではありませんか。

(民医連新聞 第1270号 2002年3月11日)

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