事業所のある風景

2010年10月15日

北海道/勤医協きたく歯科 歯科法人の発展を展望する

歯科新法人誕生3年目のチャレンジ

 2006年4月に北海道勤労者医療協会から独立し歯科法人を立ち上げ4年が経過しました。
 現在、職員数84人(法人設立時61人)で札幌歯科・もみじ台歯科・札幌ふしこ歯科・札幌にしく歯科、そして5カ所目の歯科診療所を今年の4月に札幌市 の北部に位置し、隣接する石狩市からも通院可能な札幌市北区(行政区人口27万人)に「勤医協きたく歯科診療所」をオープンしました。
 新法人が誕生して2年目に中期計画策定プロジェクトを設置して、歯科法人の将来的展望を語りあい、民医連歯科の発展を保障する安定した経営基盤を作るた めには新たな拠点作りが不可欠な課題であることを2009年総会で確認し、2010年4月新事業所開設をめざすことを決定しました。
 新しい事業所の建設予定地は、勤医協・民医連運動の31年の歴史のもとで約1万人の友の会組織と医科(勤医協札幌北区ぽぷらクリニック)・介護(勤医協 北在宅センター)との連携による総合的なサービス体系の構築が可能な、札幌市北区に決めました。現地の友の会会員を対象とした建設説明会では、「こんなに 歯科医療機関があるのになぜ歯科建設か」「歯科は経営的に大丈夫か」など地域の率直な疑問や意見が出されましたが、民医連歯科をつくることの意味を地域の 人たちと一緒に考え、様々な建設運動を通じて歯科建設への共感を広げていこうと呼びかけました。

20年ぶりの歯科事業所建設

 建設運動を進めるために新院所建設委員会を設置しました。全事業 所、全職種から委員を選出し、現地友の会会長・事務局長にも参加してもらい建設運動をスタートしましたが、最後に歯科を建設してから20年も経過してい て、すべてのとりくみがメンバー全員にとって初の試みでした。そこで建設委員会では視察団を2回に分けて、山口・岡山・福井に建設委員を派遣して全国の優 れた経験を学んできました。 

事業所の仲間・友の会会員・民主団体の皆に支えられて

 地域の歯科要求を掘り起こすためにアンケート活動、建設説明会・ 相談会、地域訪問行動などを計画しました。また新たに「歯科サポーターズクラブ」を発足し、歯科建設の応援団づくりを進めました。毎月第3土曜日の午後に は地域訪問行動と位置づけ開設するまでの1年間、真冬の猛吹雪のときも含め毎月開催を継続しました。友の会会員の皆さんや民医連の各事業所、民主団体の支 えもあり、建設運動の目標として掲げた地域訪問1000件、建設説明会・相談会20回、協同基金2000万円を達成できました。歯科サポーターズクラブに も300人を超す入会がありました。
 友の会会員アンケートでは「受診したい」「興味がある」と回答された方が全体の8割を超え、地域訪問行動では「勤医協歯科ができるのが本当に楽しみ、是 非頑張ってください」と運動を通じて多くの方から激励と期待の声が寄せられました。そのことが職員の確信となり、民医連職員として成長する場になりまし た。

地域に信頼される歯科をめざして

 開院直前には、内覧会を開催し、建設に協力してもらった方に院内 を見学してもらい、無事に完成したことをともに喜びあいました。開院して半年、今では毎日30人を超す方が利用しています。これからも地域の信頼を裏切ら ないよう「いつでも、だれもがかかりやすい歯科」を追求し、また困難を抱えている人に寄り添える歯科診療所をめざし、北区の民医連事業所や共同組織の方と 手を取り合いながら、民医連のさらなる発展に寄与していきたいと思います。
きたく歯科診療所 事務長 菅原 健太)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2010年10月号.No.458より

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