事業所のある風景

2010年11月15日

島根/大曲診療所 地域の健康づくり・まちづくり60年

 当法人は、1950(昭和25)年に出雲市民病院の前進である出雲大衆診療所として活動を開始しました。その翌年、大曲診療所は出雲市大津町の民家を借り診療を開始し、以後60年にわたり、大津、上津地区住民の健康づくり、まちづくりに努めてきました。
 2001(平成13)年、現在地で診療所を建て替え、訪問看護ステーションを併設しました。それまで外来診療を中心に医療活動を行ってきましたが、訪問 診療や通所リハビリテーションなど在宅サービスにも活動を広げていきました。

ミッションを持ち医療活動を

 現在の大曲診療所は、主に「在宅医療活動」「家庭医療活動」の2つに力を注いでいます。それぞれに対し下記のミッションを持ち、外来、訪問診療、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、訪問看護、健診の6つのサービスがリンクしながら活動をしています。

〈在宅医療活動のミッション〉
 在宅療養を希望し、医療・リハビリ・看護・介護等を必要とする人たちが、住みなれた地域で生活しながらの療養を可能とし、自己実現のお手伝いをすること
〈家庭医療活動のミッション〉
 大津・上津地区の全ての住民が、健康で文化的な生活を送れるように、予防を含めた医療サービスを提供し、地域の健康問題に取り組み、人と人とのネットワークをつくること

患者の満足や家族の達成感にふれることで

 在宅医療は複数の常勤医師体制で、24時間365日、在宅療養支 援診療所として約100人の在宅患者を支援しています。がんの末期や人口呼吸器、ALSの患者など、在宅で療養をしたいと望む患者に、地域の医療・介護 サービスと協力して、その人らしい人生を送ってもらえるように努力しています。最後を住みなれた家で過ごしたいという患者の満足や、療養をサポートされた ご家族の達成感に触れることが、スタッフのモチベーションになり、私たち自信の自己向上にも繋がっていると思います。

地域保健活動の研修も

 また当診療所は、出雲市民病院が持つ家庭医療後期研修プログラム の中心フィールドとして位置づけられています。年齢、性別、臓器別の問題にとらわれず、幅広い健康問題に対応する外来診療、前述のような患者の自己実現を 支援する在宅診療、地域住民全体の健康度を高める視点でとりくむ地域保健活動の研修を行っています。この時期に家庭医を特徴づける能力(患者中心の医療・ 家族志向型ケア・包括的かつ継続的な医療、地域包括ケア)をより深く理解し実践を進めています。診療所の運営会議にも参加し、診療所の経営・マネージメン トに関する知識も取得しています。
大曲診療所 事務長 渡部 満)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2010年11月号.No.459より

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