事業所のある風景

2010年12月15日

秋田/大曲中通病院 安心してかかれる病院づくりを

 秋田県の南部に位置する大仙市は、2005年に大曲市と周辺市町村が合併して生まれました。大曲は古くから雄物川を利用した交通の要衝として、ま た、県内でも有数な穀倉地帯として栄えてきました。毎年8月に開催される「全国花火競技大会」は、日本一の花火大会として有名で、今年の観覧者数は80万 人を記録しました。しかし、地域経済の低迷による人口減少が進み、年々高齢化率も高くなっています。

「親切でいつでも診てくれる病院」

 大曲中通病院は、1967年に旧下山至誠堂病院から引き継ぎ当地に開設しました。1975年に124床の病院を建て、大曲仙北地域において先駆け的に救急医療を実践し「親切でいつでも診てくれる病院」と信頼を得て患者数も順調に伸ばしていました。
 2005年、法人の中期計画が策定され、計画の中に新病院建設が打ち出され、長年の夢であった病院建設を具体的に進めることになりました。

医療と介護・福祉のネットワークが

 建設にあたり、新病院のコンセプトを「医療と介護の融合」とし て、治療から在宅、介護までをトータルでサービス提供できる病院づくりをめざしました。患者の多くが高齢者で、地域で不足しているショートステイの開設や リハビリの充実を図ることで、安定した経営基盤を築くことにしました。
 設計にあたり、積極的な議論が何度となく交わされ多くのアイデアがスペース活用やアメニティの向上に活かされました。また、建設基金の協力を呼びかけ、 多くの友の会会員、地域住民の皆さんから寄付が寄せられました。わずかな年金の中から「病院のために役立ててください」と寄せていただくなど、あらためて 病院に対する期待の大きさを感じさせられました。
 翌年には、隣地に別棟を建て、在宅総合ケアセンターとして訪問看護、訪問介護、居宅支援、訪問リハビリが入り、新たに通所リハビリを開始しました。歯科 診療所も建物の1階に加わり、大曲中通病院を中心とした医療と介護、福祉のネットワークが完成しました。

それぞれの機能をフルに活用して

 新病院建設という大事業が成功したのは、40数年この地域で行っ てきた「いつでも安心して診てもらえる医療」に対する信頼と期待があったことと、職員が一体となって自分の病院づくりをとりくんだことです。今後は、それ ぞれの機能をフルに活用して安心してかかれる病院づくりを進めていきます。
大曲中通病院 事務長 運藤 博志)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2010年12月号.No.460より

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