民医連新聞

2002年9月1日

医学生も「宣言」 フィールドワークで学んだ 「患者さんとつくり上げる医療」 第23回民医連の医療と研修を考える医学生のつどい

 第23回民医連の医療と研修を考える医学生のつどいが8月16日~18日、愛知県三ケ根町で開かれました。医学生130人、共同組織22人含む 320人が参加。「僕らの医療宣言っ!!」をテーマにした様ざまな企画で、自分たちのめざす医師像、やりたい医療は何かを学び考えました。

 一日目。全日本民医連の吉中丈志副会長が開会あいさつ。山井太介実行委員長(四年生)が「みんなで協力し良い『つどい』をつくろう」とよびかけました。
 「構造改革と民医連の医療活動」と題した寸劇は、不況下の中小企業のサラリーマン家庭が舞台。風邪をひいた夫が妻に「節約して」と言われ受診せず、肺炎 になり入院。治療費も高額に。医師が「早く来れば風邪の治療代ですんだのに。金がなくてかかれないとは」。医学生の迫真の演技に会場から大きな拍手が。
 学習講演では愛媛生協病院の森実和樹医師が、差額ベット代をとらない民医連の医療活動を紹介。奨学生活動交流企画ではユーモラスな寸劇「飛び出せ!学校!」が披露されました。
 二日目は初めての企画で、10コースに分かれフィールドワーク。そのうち名南ふれあい病院を会場にした「地域に根ざす高齢者医療・介護ネットワーク」には、職員・学生あわせて20人が参加しました。
 参加者は「病棟での高齢者医療・介護体験」「訪問看護見学」「往診見学」「高齢者医療・介護要求調査」の四班に分かれて活動。
 「高齢者医療・介護要求調査」班は、医学生と職員が組になり、新病院建設予定地周辺の友の会員に面接して医療・介護に関するアンケート調査。医学生は 「大変な仕事だけど、患者にはニコニコと接する医師に」「親身に患者の話を聞いてくれる医師になって」と激励されました。
 まとめの集会では、名南ふれあい病院の田渕哲雄院長が講演し、医療改悪の内容と突然死や自殺などが増えている地域の実態、共同組織の役割を説明。学生は 「民医連の医療は一方的なものでなく、患者さんといっしょにやることがわかった」の感想。
 三日目は、各地の奨学生活動の交流と六年生企画が行われました。
 6年生企画「自分で選ぶ道だから」では、民医連の先輩医師と、研修先や不安・疑問について意見交流。下正宗東葛病院副院長、聞間元静岡民医連会長が講演 したほか、先輩医師が民医連の研修や職場について発言。学生は「患者さんからのニーズを聞き気持ちが高まった」「地元でも話を聞ける場がほしい」と発言。
 閉会式では「自分たちがめざす医療は患者さん優先の、患者さんとともにつくり上げていく医療」という「うちんらの医療宣言」を全員で確認しました。
 参加した小泉明希さん(2年生)は「フィールドワークで民医連を感じた。とてもよかったので、来年も参加したい」と話していました。

(民医連新聞2002年09月01日/1285号)

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