事業所のある風景

2012年1月15日

佐賀/多久生協クリニック いつでも何でも相談を! 安心して受診できるよろずクリニックをめざして

 多久生協クリニックがある多久市と隣の小城市は、人口は併せて6万7000人、世帯数は2万2200。特に多久市では 高齢化が進んでいます。多久市およびその周辺は旧産炭地で、当クリニックは、じん肺や振動病の労働災害の患者や高齢者中心の外来が特徴です。デイサービス も行っています。

組合員活動を活性化して

 1991年に開院した多久生協クリ ニックは、地元開業医で医療生協の役員をされていた医師の遺言で、私たちが受け継ぎました。しかしながら築30年以上の医院であり、老朽化が著しく、駐車 場やバリアフリー化などの問題を抱えており、移転新築が課題でした。事業計画成功には地域組合員のがんばりが不可欠です。支部運営委員会を再構築し、支部 長を選任し運営委員会を活性化しました。そして、地域の組合員訪問や組合員交流企画などを日々重ねてきました。
 7年近い論議の末、多久小城支部を中心に県下全域の約1万1000世帯の医療生協組合員に新クリニック建築を訴え、特別増資活動に協力してもらいまし た。355坪の土地に130坪の建物が完成し、2011年7月1日に新築移転をすることができました。

新しくなったクリニックは…

 天井が高く明るい待合室、広い駐車場など、事業所の環境がよくなり、乳幼児を中心に若い世代の新しい患者が増えています。また、検査室も広くなり、上部・下部の内視鏡検査などもできるようになりました。
 併設のデイサービスでは安全対策が隅々に施され、明るく快適に施設を利用してもらえるようになり、利用者が増え、活動の幅が増しています。
 組合員ルームも完備し、新しい2人の運営委員を迎え、これまで以上に活発な支部運営委員会が行われています。
 クリニックの特徴でもある労災診療では炭鉱由来の患者の高齢化に伴い、有田・伊万里近辺の窯業やアスベスト関連作業の割合が増えています。掘り起こし活 動を地域組織と協力して毎年行っています。佐賀県の特徴である陶磁器・窯業従事者へ早期発見や予防を訴えるとともに、アスベストばく露者や家族・周辺住民 へも今後の問題を伝え、必要な方と補償を結び付け、安心して療養できる環境を引き続き整えていきたいと考えています。

患者・利用者・組合員と一緒に

 14人の職員は、事務、看護、介護な どの職種の垣根がなく、意見交換を活発にして、組合員の要求があればいつでも飛んでいくスタイルを開設以来貫いています。経済問題など困難を抱えた方に必 要な医療・介護を提供できるよう、1つひとつの活動を患者・利用者・組合員と一緒に考え、「医療生協があってよかった」といってもらえるクリニックをめざ していきます。
多久生協クリニック 所長 愛野 浩生)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2012年1月号.No.473より

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