民医連新聞

2002年3月11日

就任あいさつ

 新理事会を代表してあいさつをいたします。まず、激動の21世紀を切り開く、私たち62名の理事と3名の監事が、みなさんの先頭に立って奮闘する決意を、表明したいと思います。
 今回、退任される高柳前会長、前田前事務局長をはじめ旧理事のみなさんの奮闘に、心から感謝の意を表明するものです。会場のみなさん、大きな拍手をお願いします。
 昨年9月から、私たち民医連は小泉医療改悪を阻止し、共同組織を大きく拡大する大運動月間を設定し、活動に邁進してきました。その結果、大きな前進を勝ち取ることができました。
 小泉医療改悪に関しては、さきほどの報告にもあるとおり、一定の譲歩を勝ち取ることはできました。しかしながら、まだ完全な勝利を得たわけではありませ ん。まだまだ、残された課題はたくさんあります。小泉改革にとって一番大きなウイークポイントとなっている、この医療問題を中心にして、国民のなかにさら に大きな力を巻き起こすべく、よりいっそう奮闘しようではありませんか。
 私たちは、この35回総会で、二つの大きな武器を獲得しました。
 一つは医療・福祉宣言であります。まず最初の仕事として、この「宣言」を直ちにきれいにデザインして、全日本民医連の医療・福祉宣言としてみなさんがた の院所に掲げていただけるよう、お送りしたいと考えています。また、多くの職員、あるいは共同組織の人たちが、名刺がわりにもって歩けるように、医療・福 祉宣言の持ち歩き版もつくって、みなさんのところにお送りしたいと考えています。
 ぜひこれを活用して、私たちのまわりの今までつきあいのなかったいろいろな団体にも、この医療・福祉宣言を持って行き「私たち民医連はこういうことをや るつもりです。ぜひいっしょに医療を、福祉を、地域のなかでよりいっそう発展させるために、ともにがんばりましょう。ともに手を携えましょう」、こういう 訴えをぜひ全国各地でくり広げていただきたいと思います。
 全日本民医連も、医療・福祉宣言を、各種団体、個人に届け、「私たちはこういう医療・福祉宣言を今期の総会で決定しました。これにもとづいていっしょに 活動していきたい。いろいろご意見もいただき、今後の活動に生かします」と、懇談をすすめていきたいと考えています。
 そういう意味で、医療・福祉宣言を私たちの一つの大きな武器として、これを携え、今後の運動の発展に寄与させていこうではありませんか。
 二つ目は今度の総会方針です。これを全面実践することです。私たちの活動の原点として、常に総会方針に立ちもどって、今の活動の状況がどうか点検しつつ、活動を前進させていきたいと考えます。

 今回の医療改悪、診療報酬の改定に対応するにあたって、私たちが心しておかなければならないことが三つあると考えます。
 一つは、今度の医療改悪と診療報酬の改定によって、一番、被害を被るのが国民・患者である。この視点を絶対に忘れてはならないということです。この被害 を被る国民の立場、国民の心、ここに寄り添い、その人たちとともにたたかいぬく、このことが第一の視点です。
 第二の視点は、この医療改悪・診療報酬改定では、全ての医療機関が被害を被るということです。特定療養費をたくさん患者さんからとって、それでもうけて やっていける医療機関は、全国のなかでほんの数えるほどしかないでしょう。そうでない医療機関全てが、今度の医療改悪と診療報酬改定で大変な思いをする。 民医連だけが何とかなればいい、こう考えるのではなく、全ての医療機関をまきこみ、そして患者さんをまきこんで、この医療改悪と診療報酬改定に反対するた たかいに立ち上がっていく、これが第二の視点です。
 第三の視点は、そうは言っても民医連がつぶれていいということにはならない。やはり、私たちは地域でずっと存続しつづける。地域で頼りがいのある医療機 関、事業所として存続しつづける。このことに最後までこだわって奮闘しぬくことが必要です。

 民医連創立の時代は、言ってみれば一次方程式の時代だったと思います。今は三次方程式、四次方程式の時代にな り、なかなか回答を見い出すのが難しい時代になりつつあると思います。しかし難しい時代だからこそ、私たちは原点に立ち返って活動を見直し、前進をはかる ことが必要だと考えます。
 第一は、全ての役職員が力を発揮する、このために私たちが常に努力をすることが必要だと考えています。第二は共同組織の人たちと全ての分野で手を携え、ともに前進する、この立場が大事だろうと考えています。
 この二つをあわせて私たちの力の源泉とすることに成功すれば、何も恐ろしいものはない、このように思います。

 21世紀、非常に大変な時代ではあります。しかし昨日のレセプションで発言があったように、「私たちの先には未 来がある。今の小泉政権の先に未来はない」。このことに私たちは確信をもって、私たちとともに歩む多くの国民といっしょになって、医療・福祉・平和が優先 される、新たな時代をつくるために、奮闘しようではありませんか。
 私たち理事会はその先頭に立ってがんばることを表明し、私の新理事会を代表しての決意表明とします。

(民医連新聞 第1270号 2002年3月11日)

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