事業所のある風景

2012年6月15日

東京/クリニック柳島 東京スカイツリーのある地域で

 クリニック柳島は、東京墨田区のほぼ中央に位置し、5月22日オープンの東京スカイツリーが間近に見える北十間川、横十間川、大横川に囲まれた業 平2丁目にあります。墨田区の人口は、新名所も手伝ったのか、ここ5年間で1万5000人増え、25万人に届こうとしています。同時に高齢者の割合も着実 に増加しています。

「墨田区にもうひとつの民主医療機関を」と…

 加盟している東都協議会内(墨田区、足立区、葛飾区、港区、江東 区に医療・福祉・介護事業所を展開している)の医療系事業所がカバーできていない地域で、しかも内科標榜の医療機関がほとんどないところでもあります。そ こへ偶然にも(?)5階建ビルを「何かに役立てていただきたい」と所有者から依頼がありました。「墨田区にもうひとつの民主医療機関を」(北部にすみだ共 立診療所があります)と共同組織や地域の方々から願われ続け数十年。クリニック・訪問看護ステーション・小規模多機能サービス・グループホームが同居する 複合施設「業平医療福祉会館」が2010年12月に竣工しました。
 共同組織では、よく「○○診療所をつくる会」などで何年かかけて診療所を建設する運動をしながら「会員を増やしていってようやくできた」などと聞きます が、クリニック柳島は建設が決まりほぼ同時並行で賛同してくださる方、債券に協力いただける方を募りながら開業前月に友の会結成総会が行われました。この 時点では、会員約50人。2011年度はなんとか100人以上にしようと、訪問行動や懇談会を開き、113人(3月31日現在)まで増やすことができまし た。

クリニックへ足を運んでもらう活動を

 外来診療は当初週4単位でしたが今では6.5単位になり、地域に もだいぶ認知されつつあります。医療を必要としている方は多く住まわれているはずですが、いろいろな方の話を聞くと、大学病院志向だったり、既にかかりつ け医がいたりと、患者増には厳しい現実もあったりします。そういう方でも、共同組織の力を借りながら自治体健診や予防接種だけでもとりあえずクリニックへ 足を運んでもらう活動が必要不可欠になっています。
 クリニック柳島ではメーンでもある在宅医療を「在宅療養支援診療所(強化型)」としてとりくんでいます。すべて車での往診のため、新名所による渋滞に苦労しています。

セツルメント活動拠点の地域でもある柳島

 「柳島」は、昔の地名でもありますが、1923年の関東大震災後 の東京帝大生たちによって行われた被災者救援のセツルメント活動拠点「柳島セツルメント医療部」があった地域でもあります。民医連医療の源でもある先人の 意志を引き継ぎ、地域のみなさんから「あそこに行けば何とかなる。何とかしてくれる」と言われるように、先述の協議会内の連携ネットワークを駆使しつつ、 安心してかかれる医療機関をめざして、所長、師長と事務長という、最小限の職員で日々奮闘しています。
クリニック柳島 事務長 鈴木 太一)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2012年6月号.No.478より

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