事業所のある風景

2012年9月15日

長野/諏訪共立病院 地域を支え、地域に支えられる病院に

 諏訪共立病院の歴史は、諏訪地方の地域住民が「自分たちの医療機関をつくろう」と1972年に〝発起人会〟を発足させたことで始まりました。オー プン直前まで診療する医師が決まらない状況の中で、隣県の山梨民医連の支援を受け、1974年6月に無床診の諏訪共立診療所を開所しました。有床化を経て 1977年に42床の諏訪共立病院に。その後何度かの増築・増床を経て現在、一般病棟56床、回復期リハ病棟43床を有し、1~2次の救急機能を持つ一般 病院へと発展し、今年で39年目を迎えています。

医療の質向上に向けて

 2009年には県内で2番目、県連内で初の無料・低額診療事業を 開始。諏訪地方の生活困窮者の支援活動「SOSネットワークすわ」の相談会や、他院・地域から同事業につながる事例も多くあります。2011年は電子カル テを導入するとともに、「病院機能評価ver.6」を更新受審し、医療の質向上に努めています。

高齢化のすすむなかで

 諏訪共立病院は、人口約2万2000人の下諏訪町にある唯一の病 院です。諏訪地域には全国各地に分布している諏訪神社の総本社があり、下社春宮と秋宮の中間に位置します。数えで7年に一度、寅年と申年に行われる御柱祭 では、当院の目の前を御柱が通過します。天下の奇祭を肌で感じ、 熱い血が滾る職員も多く、何かしらの集まりの席には木遣りが響く、祭り好きな土地柄です。
 一方で、町の高齢化率は30パーセントを超えています。今年4月の診療報酬・介護報酬改定では、高齢者の入院・入所がますます困難な状況になりました。 地域で高齢者の医療・福祉への不安が叫ばれるなか、在宅療養支援病院として在宅医療に力を入れています。高齢者医療を軸に、医療・福祉の分野で地域の医療 機関・福祉施設や行政と連携した医療活動を展開しています。

無差別・平等の地域医療を

 先人が苦労してつくりあげた、地域で生まれ、地域に支えられている諏訪共立病院は、感謝の心を忘れず、今後も24時間365日、無差別・平等の地域医療を提供していきます。
諏訪共立病院 事務長 山田健一)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2012年9月号.No.481より

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