事業所のある風景

2013年1月15日

東京/大南ファミリークリニック 気軽に相談できる 家庭医・複合施設をめざして

 大南ファミリークリニックのある武蔵村山市は、東京都の多摩地域北部にあり、武蔵野台地の西に位置し、狭山丘陵を挟んで埼玉県と接しています。武 蔵村山市(人口は約7万人)の特徴としては、(1)都内でありながら鉄道が走っておらず、また市の西部は広大な米軍横田基地があり、市の中央には旧日産工 場跡地があり、交通の便があまりよいといえない地域です、(2)交通手段がマイカー中心であるため、自営業の比率が高く、なかでも建設業の比率が近隣他市 と比べて高くなっています。また若い世代も比較的多く、出生率も三多摩26市の中で2番目に高く、子どもが比較的多い地域です、(3)都内最大の都営団地 (約4000世帯8000人)があり、そこでの高齢化率は45パーセントを超えています。

地域・友の会の力で「医療・介護」複合施設として生まれ変わりました!

 大南ファミリークリニックは、2012年3月に、旧伊奈平診療所から移転・新築して「医療・介護」の複合施設として生まれ変わりました。建物は太陽光発 電パネルのついた3階建てで、1階はクリニック、2階には訪問看護ステーション、3階には友の会事務所と多目的ホールがあります。隣地には民医連加盟の薬 局、さらに2階にはケアプランセンターとヘルパーステーションがあります。
 旧診療所は、1987年4月16日に、医療過疎地域であった市内伊奈平地域に開設しました。当時の運動は、地元の強い要望、都営村山団地を中心とする健 生会協力会(現三多摩健康友の会)や東京土建村山大和支部および武蔵村山民主商工会の協力のもとに進められました。開設後は地域医療要求に応えて、外来、 在宅、健診の総合的な医療活動を進め、健康づくり・社会保障運動の牽引車として、健康友の会と一緒にとりくんできています。しかしその後、日産自動車村山 工場の閉鎖(2001年)があり、それに伴う零細町工場の閉鎖が続き患者数も減少し、建物も老朽化が進み、診療等に支障がでるほど手狭となったため、移 転・新築を計画することになりました。
 建設に際しては、友の会や地域の方々も参加する建設委員会(月1回)で、医療構想から移転場所、購入機器、外観の色、名称などさまざまな議論を行って決 めました。例えばクリニックの名称については友の会や職員から出された20を超える候補から決めました。「太陽光発電を設置するならもっと協力するよ」 「ウオーターベッドをいれてほしいから」など、地域の方々から1億5000万円以上の資金協力をいただきました。運動の中心を担った健康友の会では、新規 入会者は1000人を超え、会員数は2年前の1.7倍に増えています。

医療と介護の連携、助け合いの運動で安心して暮らせるまちをめざして

 クリニック開設から早8カ月が過ぎ、新規来院者は1500人を超 え、前年比110パーセントの患者数になっています。友の会の患者送迎サービスが大変好評で、毎日2台の送迎車が稼働し、月間利用者は300人を超えてい ます。また在宅往診患者の増加とさらにターミナル・ケアなど重症化しています。またワクチン接種なども含めて小児の件数が増えているのも特徴です。
 10月の武蔵村山の市民まつり(デエダラまつり)では、クリニックをはじめとする5事業所の職員も参加して、530人の健康チェックを行うなど、地域の方々にも喜ばれています。
 「家庭医がいるクリニック」「赤ちゃんからお年寄りまで誰もが安心してかかれる医療・介護の複合施設」として、今後も地域の期待に応えていきたいと思っています。
大南ファミリークリニック 事務長 蓮池 安彦)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2013年1月号.No.485より

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