事業所のある風景

2013年6月15日

神奈川/うしおだ診療所 こころ、からだ、歯科の トータルサポートをめざして

 横浜市鶴見区の臨海部は工業地帯、中心部は商業・住宅地域が主体となっていますが、住工混在地区も見られます。鶴見区にある「うしおだ診療所(こころと からだと歯)」は、汐田診療所、汐田ヘルスクリニック、汐田歯科診療所の3つの診療所が統合し、2012年5月に新築・移転しました。診療科目は内科、神 経内科、精神科、整形外科、外科、脳神経外科、眼科、皮膚科、泌尿器科、歯科があります。さらに、精神科デイケア、重度認知症患者デイケア、通所リハビリ テーション(介護保険)の3つのデイケアを有する大きな診療所です。

「うしおだ診療所(こころとからだと歯)」ができるまで

 新診療所建設にあたって、2010年6月から建設委員会を立ち上 げて議論してきました。今回は3つの診療所の統合となるので、意見をまとめるのも一苦労でした。基本構想や図面、予算、方針など何度も何度も話し合いまし た。名称は地域からも募集をし、歴史を引き継ぎ、なおかつ親しみやすい、ひらがなで「うしおだ」とすることに決定しました。また、友の会会員とともに出資 金運動にとりくみ、2011年度は累計1億4000万円を超える出資金が寄せられました。3月に開設記念企画を盛大に執り行い、4月に内覧会、5月に引越 しと開所式を行いました。そして、5月7日から新しい診療所で診療をスタートさせています。

より専門性の高い医療が可能に

 新しい診療所では、内科、精神科、歯科のとりくみ強化を打ち出し ました。内科は家庭医的なかかりつけ機能を重視しつつ、一定の専門外来を置くことにより幅広い方々のご要望に応えられるようにしました。また、電子カルテ の導入で病院との密接な情報共有が図られています。要望の多い在宅医療・訪問診療にもできる限り応えていこうと、とりくんでいます。
 精神科は「もの忘れ外来」を設けて、認知症の診断・治療に力を入れています。重度認知症患者デイケアや精神科デイケアとも連携して、生活リズムの改善や 周辺症状の緩和などにもとりくんでいます。また、家族相談会を通してご家族のサポートや、外来に来られない患者には相談員が訪問して受診援助も行っていま す。
 歯科は歯科用CTを導入し、インプラントや咬合など、より専門性の高い医療が可能になりました。歯科技工士も院内に常駐し、きめ細かい対応が可能です。 将来的には医師の教育ができるような施設へ発展させたいと思っています。

安心して住み続けられるまちづくりをめざして
―健康まつりに約500人が参加―

 移転して半年後の11月18日に、新しい診療所ではじめての健康 まつりを開催しました。テーマは「すすめよう、うけよう、ひろげよう、健康づくりの“わ”! ~明日は今日より健康に! 安心して住み続けられるまちづく りをめざして~」です。恒例の健康チェックや健康講話、さらに専門職が認知症予防体操を考えて披露し、地域の方にも好評でした。今後も健康づくりを通し て、地域の方々の健康をサポートしていきたいと考えています。
 法人全体では「無料低額診療事業」を積極的にとりくんでいくことを確認しています。地域で行われる医療懇談会では、友の会会員や地域の方々に、「お金の ことで治療中断しないよう」呼びかけています。これからも、地域の方に親しまれ、信頼される診療所をめざし、安心して住み続けられるまちづくりをすすめて いきたいと思います。
うしおだ診療所 事務長 高橋 耕平)

 

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2013年6月号.No.490より

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ