事業所のある風景

2013年7月15日

群馬/北毛診療所 最後の拠り所としての診療活動を

急速に高齢化と人口減少が進む地域で

 北毛診療所のある渋川市は、群馬県のほぼ中央で関東平野の最北西部に位置する市です。
 東京からおおよそ120キロの距離にあり、古くは宿場町として、近代では県内の交通の要所として、また伊香保温泉の玄関口として発展しました。
 人口は8万2000人ほどで、40歳未満は全国平均より少なく、50歳以上は多く、急速に高齢化と人口減少が進んでいます。
 当診療所は旧市街地に位置し、月平均850人程度の患者が利用し、120人程度が訪問診療(往診)となっています。

農民や働く人々の要求から

 農民や働く人々のなかに、「自分たちが信頼できる医療機関がほし い」という要求が強まり、1953年9月に北毛診療所が設立されました。その後1977年12月に北毛診療所と北毛病院の2カ所になり、北毛診療所は、 2007年12月には老健併設の診療所として生まれ変わりました。
 患者や地域の方々が安心して住み続けられるように、外来診療や訪問診療、訪問看護や介護事業と連携をはかり、医療活動にとりくんでいます。
 訪問診療では、気管カニューレや胃瘻チューブの交換、人工呼吸器の管理や褥瘡処置、訪問看護・訪問介護と連携した終末期医療など、幅広くとりくんでいます。

県北西部で初めて無料低額診療事業所に

 外来医療では、慢性疾患の患者を中心に年1回の定期検診を行い、合併症や疾病の早期発見を行っています。また独居世帯や高齢者、障がい者世帯などを中心に、通院支援事業を行い利用しやすさを工夫しています。
 県北西部では、初めての無料低額診療事業所として認可されました。経済的な理由で必要な医療が受けられない人の、最後の拠り所として、暮らし再建の相談 所としての診療所活動をめざして、とりくみを続けていきます。
(北毛診療所 事務長 高井 和平)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2013年7月号.No.491より

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