事業所のある風景

2013年9月15日

福岡/中友診療所 民医連綱領路線の実践の拠点として

旧産炭地特有の地域の中で

 中友診療所のある福岡県大牟田市は、九州 の中部に位置し、西は有明海に面し、東と南は熊本県と接しています。三井三池炭鉱の石炭資源を背景として、当時は石炭化学工業で栄え、1959(昭和 34)年には人口は20万人を超えていました。1960年の「日米安保闘争」とあわせ、全国から多くの労働者が支援に駆け付け、総資本対総労働の三池争議 のあった地です。
 その後、国策として石炭から石油へのエネルギー革命とともに街全体が衰退し、基幹産業であった三池炭鉱閉山(1997年)後は、人口は加速度的に減少 し、現在は12万人余です。全国の10万人以上の都市で、人口減少率・高齢化率(31.5パーセント)がもっとも高く、旧産炭地特有の地域の中で、医療・ 介護、運動の活動を、日々行っているのが、中友診療所と併設のグループホーム「ひまわり」です。

「断らない在宅医療」を…

 中友診療所は、外来、在宅、通所リハビリをはじめ、検査・放射線科にも職員が常駐しています。街全体の高齢化は、患者・利用者の方々の多くが、車での送迎をしなければ、診療や通所リハビリにも来られない状況です。
 医療活動は、慢性疾患管理や保健予防を基本に、この間、在宅医療にもとりくみ、2012年4月には強化型在宅療養支援診療所の認可を取得し、管理件数は 100件を超えます。「断らない在宅医療」を行い、24時間365日、法人医師団の力も借り、山本所長を先頭に展開をしています。
 また、2011年、無料低額診療事業所として福岡県から認可され、医療・介護の相談に限らず、生活相談としてとりくみを行っています。さらに、通所リハ ビリでは、「私らしい生活と地域の交流を支援」することをモットーに、地域との交流を広げています。

地域住民が主人公

 中友診療所は、建設後40年を経過しました。当初は、親仁会のセンター病院でしたが、20年前から診療所になり、施設自体は老朽化してきています。
 この間、地域の方々や民主団体からの熱い支援をいただきながら、民医連の診療所として医療・介護活動はもちろん、社保のたたかいもとりくんできました。 今年度の法人社員総会で、現在のセンター病院である米の山病院の新築移転計画と同時に、中友診療所とグループホーム「ひまわり」の建て替え計画が決定しま した。
 医療・介護構想等の具体化はこれからですが、地域のなかで、民医連綱領路線の実践の拠点として、地域住民が主人公、職員はエキストラとして、民医連の役 割を集団で果たす診療所として頑張っています。
中友診療所 事務長 久木野 眞二)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2013年9月号.No.493より

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