Dr.小池の世直し奮戦記

2014年3月1日

Dr.小池の世直し奮戦記 ストップ!医療・介護の負担増

 通常国会が始まりました。
 なかでも重大な争点は、医療・介護をめぐる問題です。昨年の臨時国会で強行された「社会保障プログラム法」にもとづき、具体的な改悪法案が提出されるからです。

医療費の窓口負担引き上げも

 来年度予算案に盛り込まれている、医療費の窓口負担引き上げが、まっさきに問題となります。今年四月以降に七〇歳を迎える方から、現行の一割負担を二割 にしようとしているのです。消費税の八%への引き上げと同時に、医療費は今までの二倍にされようとしているのですから、とんでもない仕打ちです。
 橋本英樹・東京大学大学院教授らの研究によれば、六九歳までの三割負担が七〇歳で一割に軽減されることで、精神的な健康が改善し、身体的にも改善する可 能性が高いことが明らかになっています。橋本教授は「医療費の心配から解放され『老後の安心』が得られた効果ではないか」と述べています(「しんぶん赤 旗」 二〇一二年五月一二日付)。
 現役世代も高齢者も健康を第一に考えるなら、医療費の負担は引き下げるべきです。

介護保険では「水際作戦」まで

 介護では、「要支援」の訪問介護、通所介護を介護保険本体から切り離し、特養老人ホームから要介護1・2の方を締め出して、在宅でも施設でも利用料の負担増をすすめるなど、制度の全面的な改悪法案が国会に提出されようとしています。
 昨年の国会では、生活保護を受けにくくする「水際作戦」を強化する法改悪が強行されました。今度は介護保険でも、要介護認定を受けないように誘導する「水際作戦」がおこなわれようとしているのです。
 しかし高い保険料を徴収しながら、いざ介護が必要なときに使えないのでは、「何のための介護保険なのか」という怒りが広がることは間違いありません。
 介護保険法の改悪とセットで、入院患者“追い出し”促進に向けたベッド削減の法案も準備されています。この四月には診療報酬の「マイナス改定」が検討さ れています。医療機関の経営はますます厳しくなり、医療崩壊を加速させてしまいます。 年金支給額や生活保護費の削減は、昨年からすでに始まっています。

立場の違いをこえて広がる反対

 これまで「社会保障のためなら」と、消費税増税に反対していなかった方や団体の中にも、「話が違う」という怒りの声が急速に広がりはじめています。TPPへの日本参加反対、医療崩壊・介護崩壊ストップ、社会保障充実を求める声も大きくなっています。
 私は今年、日本医師会の新年会に初めて招かれました。各県の医師会長とあいさつを交わすと、次々に「がんばってください」「期待しています」という声が かかりました。数年前までは考えられなかったことで、情勢は急速に変わっていると感じます。
 消費税増税とセットで、大企業には大減税。そして大型公共事業や軍事費は増額する一方で、社会保障は改悪の連続。江戸時代の悪代官のような冷たい政治に は、いのちと人権を守る運動による“倍返し”が必要です。草の根からのたたかいを大きく広げましょう。

いつでも元気 2014.3 No.269

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