医療・看護

2014年3月10日

注射パンフ

chusha-panf『みんなでとりくむ注射事故予防』(A5判40頁)

“ヒヤリハット”や事故の検討・学習に大いに活用してください。

定価200円 お申し込みは下記まで

申込先
(株)保健医療研究所
〒113-0034
東京都文京区湯島2-4-4 
平和と労働センター8階
電話 03-5842-5656 FAX03-5842-5657

はじめに

 全日本民医連“医療の安全モニター委員会”に寄せられた「ヒヤリハット報告」や、2年6ヶ月に及ぶ「事故報告」のなかで注射事故の割合は転倒転落についで2番目に多いものであることがわかりました。
 KCLや10%キシロカインの静脈注射などによる死亡事故、重症事故例では、直接注射をした看護師のミスが原因とされることがほとんどです。
 しかし、人間工学的には「エラーは結果であり原因ではない」と考えます。そして個人の責任追及に終始するのではなく、背景にある原因の究明を行い、事故 をおこす不安全条件や不安全行為そのものをなくすことが求められます。
 私たちは、注射事故を知るために、T病院をフィールドに6ヶ月に及ぶ調査を(財)労働科学研究所と共におこないました。その結果、次のようなことがわかりました。
(1)注射事故を知るためには、まず注射業務の流れを継時的に追い、指示書のあり方/医師の指示/看護師の指示受け/注射薬の準備作業/薬剤師(部門)の 役割/安全な実施と後観察など、注射業務がどのような内容とプロセスで構成されているかを理解することが重要です。それに基づいて、業務の流れ図を書き、 事故がどこに位置するのかとらえることが求められます。
(2)次に、背景にある病院の理念と行動(病院の安全の位置付け、看護体制と教育、看護過程、医療目標と病院運営、とりわけ、病院内各部署間の総合的連携のあり方など)を明らかにすることが必要です。
(3)注射事故事例、ニアミス事例を「業務の流れ図」に沿って検討すると同時に「病院の理念や行動」との関連性を明らかにする作業を通じて、私たちは、背 景にある自らの病院の注射事故原因に迫り、なくしていく力を身につけることが出来るようになります。
 このパンフレットは、「医療事故は組織事故である」との観点から、以上の様な理解と視点で注射事故の予防について実践的にわかりやすくまとめたものです。
 さぁ、読者の皆さん、ご一緒に注射事故の背景に迫り、理解を深め、病院をあげて予防の取り組みを進めましょう。

目次

はじめに…………1

1.注射事故をどうとらえるか…………2
 エラーは結果であり原因ではない

2.注射事故の対策をどう考えるか…………4
 「直接リスク」と「間接リスク」で業務を見直そう

3.指示書について…………8
 指示書は「情報伝達ツール」……必要充分な内容を明確にしよう

4.医師の指示について…………10
 指示情報の遅れ、内容の欠落、変更情報の伝達不足などがリスク原因

5.看護師の指示受けについて…………12
 指示受けは、指示内容のチェックプロセス

6.注射薬の準備について…………14
 注射薬の準備も「照合・確認」過程

7.薬剤部門の関わり…………16
薬剤師は、医薬品のトータルコーディネータ

8.安全な実施…………18
 患者とともに安全確認

9.実施後の観察・管理…………20
 忘れない、実施後の状態観察

おわりに…………22

 資料 「静脈注射の安全実施に関するガイドライン」全日本民医連…………24

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