MIN-IRENトピックス

2021年4月26日

理事会(2021年4月)増田会長あいさつ

 3月21日に、全日本民医連元会長の莇昭三先生を偲ぶイベント「莇昭三からきみへ」がオンラインを含めて総勢600人を超える参加者で盛大に開催されました。縁の方々からの心のこもったご挨拶の後、先生とともに歩んだ方々が「語り手」としてその偉業を紹介され、それを「紡ぎ手」として、現在、石川民医連で活躍されている3人の職員が受け継ぐかたちでこれからの活動への決意を述べられました。彼女たちの力強い発言を聞いて、莇昭三先生からのバトンがしっかりと引き継がれたと感じました。全体を通して大変感動的で今後に向けた勇気がみなぎってくるような取り組みとなりました。

 3月27日にはお隣韓国の仲間たち・韓国社会的医療機関連合会(韓国社医連)の第三回定期総会が開催され、全日本民医連からのメッセージを送りました。韓国社医連は、2018年の発足以来、一貫して平和と人権をまもり、医療の民主化と公共性の拡大を目指して活動しつつ確実にその陣容を強化してきました。新型コロナウイルス感染症への取り組みでも、最前線で感染者診療にあたるとともに、韓国国民のいのちと生活を守るための様々な活動に取り組んでいます。加えて、日本で感染防護具が不足した折りには、独自にカンパを集め、私たちのために医療用ガウンを沢山送ってくださいました。全国の民医連事業所ではその届いたガウンを見て、同志的愛情と連帯の心に大いに励まされたことをよく覚えておられるかと思います。これからもお互いに支え励まし合いながら、発展していきたいと願っています。

 新型コロナウイルス感染症の世界の総感染者数は1憶4千万人に、死者は300万人に迫る勢いです。インドでは1日で20万人の新規感染が発生したと報道されています。日本でも変異株の増加に伴って、猛烈な勢いで感染拡大が進行しています。全日本民医連は3月21日に緊急事態宣言解除に際し、時短営業者や生活困難者への十分な補償、検査体制の充実、オリンピック・パラリンピックの中止などを要請する声明を発表し、併せて、全国の民医連事業所管理部宛てに、新年度を迎えるにあたり感染対策の強化と職員のヘルスケアの徹底をお願するアピールを発出しました。
 その後の経過は私たちの予想を大きく超える事態になっています。高齢者施設や小規模病院で感染者が発生しても入院先が無くそこで治療をせざるを得ない、重症化しても引き受け先がない、一定の年齢を超えると救命率が低いという理由でECMO使用を断られる、ホテル療養中に悪化しても行き先がなくそこで酸素治療しているなど、1月に体験したあの悪夢のような光景が既に再現されていることが判明しました。私たちはこれまでで最大の試練に立ち向かわざるを得ない状況であることを認識しなければなりません。

 そんな中、7月の東京オリンピック・パラリンピックに対する懸念が外国メディアから表明されています。4月12日ニューヨークタイムスは、この状況でのオリンピック開催は「最悪のタイミング」であり「一大感染イベントになる可能性がある」と報じました。また、4月14日英国医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)は「今夏の東京五輪・パラリンピック開催は再考されるべきだ」と訴える論考を掲載し、その中でPCR検査が拡がらないことやワクチン接種が遅れている原因は政治指導者のリーダーシップの欠如であるとし、「科学的・道徳的要請を無視して、国内の政治的・経済的目的のために東京2020を開催することは、グローバルヘルスと人類の安全保障に対する日本の公約と矛盾する」と明確に批判しています。
 4月14日の国会で菅総理は、現在の感染拡大状況について「全国的な大きなうねりとまではなっていない」と驚くような認識を示し、いそいそと米国に旅立ちました。
 改めて日本政府に対し、感染爆発を阻止するために、国民への行動縮小の要請とそれに対する抜本的補償、医療体制の整備と検査の拡充、ワクチン確保状況の開示と接種の推進、夏のオリンピック・パラリンピックの中止決定などを求めていきたいと思います。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって1年3カ月が経過し、国民生活への影響は限界を超えるような状況になっています。厚労省は4月8日にコロナ関連の失職者が遂に10万人を超えたと発表し、東京商工サーチ(3月12日発表)によると居酒屋運営の上場企業13社の店舗数が昨年と比較して12.5%減となったとのこと、更に4月9日帝国データバンクは新型コロナウイルス関連倒産が 1290 件に上ったことを発表しました。一方、4月6日フォーブス誌は、資産総額が10億ドルを上回るビリオネアがこのコロナ禍で660人増えたことを発表し、その長者番付には日本の経営者も名を連ねています。巷の市民感覚との乖離に呆れるばかりですが、番付4年連続トップのアマゾンのペゾスCEOはバイデン政権の法人税率引き上げに支持を表明し、米国政策研究所は富裕層に対する新たな課税(富裕税)を提案、国連のグテーレス事務総長はパンデミックで利益を上げた人々に対して連帯税や富裕税を導入することを各国に促すと述べています。これはまさに政治が成すべき仕事です。
 医療機関の莫大な借金問題も含めて、コロナ禍で発生した数多の困難に対しては、強力な政治的介入無くしてその解決は不可能です。検査拡充を怠り、ワクチン対応でも後手に回り、まともな補償もしないままに自粛と罰則のみを強要してきたこれまでの日本政府のやり方では事態は深刻化するばかりです。

 コロナ禍に対する失策は勿論のこと、現地の声を無視した原発汚染水海洋放出のことも、物理的にも現実離れした道理無き辺野古の基地建設も、政治家の汚職や劣化する官僚機構の問題も、現在の政権を変えない限り改善は見込めないことがはっきりしたと思います。3つの補欠選挙とその後の東京都議選、来るべき総選挙の重要性がますます大きくなっています。
 人々のいのち、健康に深く関わる医療・介護・福祉に従事する者として、意思表示と行動を起こし、戦争する国づくりと、「医療追い出し、介護とりあげ」の社会保障削減が一体となった政治の中で、引き続き、菅政権の暴走を阻止していきましょう。

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