MIN-IRENトピックス

2022年11月1日

理事会(2022年10月)増田会長あいさつ

【増田会長あいさつ】

 新型コロナウイルス感染症の全数把握は、9月26日で終了となりましたが、報告対象とされた4つのカテゴリー以外の方は医療機関にかかりにくくなっているとの意見も出ており、診療から漏れる患者が出ないよう配慮が必要です。今月からオミクロン対応の二価ワクチンの接種が開始されましたが、BA5対応の新製品が、10月13日から接種可能になっており、自治体の配送計画に合わせて、対応する必要があります。
 今国会で議論予定の感染症法等の改正案の中身が明らかになってきました。岸田首相が徹底的に検証するとした有識者会議の議論を踏まえた政府方針の発表から4か月が経過し、その間に最悪の感染拡大となった第7波を経験したにも拘らず、その反省は全く生かされていません。法的強制と罰則による脅しで医療機関を統制する内容になっており、「余裕」を持った医療介護提供体制や公衆衛生部門の拡充、そして、感染対策を行うに十分な経営支援など、新型コロナ対応2年半で現場が重要だと認識した課題は、またもや無視されました。この内容では次のパンデミックに対応できるとは思えません。特に、第7波で常態化したように、介護現場でクラスターが発生した際、感染者は病院に入院することができず、医療資源が乏しい介護施設でそのまま留め置きされるという、感染対策の基本から逸脱した対応への猛省は微塵も感じられません。いのち第一、受療権保障の視点で検討されなければなりません。
 10月12日、政府はインフルエンザとの同時流行に対応するために、中学生から64歳までの基礎疾患の無い人は発熱外来受診を控えてもらうという方針を固めました。少なくない混乱が生じる可能性があります。各地域で行政や医師会とも相談し、診断・治療の遅れから重症化や死亡に至る例が発生しないように体制整備を進めることが重要です。

 9月27日、岸田内閣は安倍晋三氏の国葬を強行しました。法的根拠が無い、決定の経緯が不適切、高額な費用、安倍氏自身のキャリアに照らしてあり得ないなど、日本中で批判の嵐が吹き荒れる中での暴挙です。とりわけ、憲法14条の「法の下の平等」、憲法19条の「思想良心の自由」などに明らかに抵触する憲法違反行為であることは重大です。
 絶対主義的天皇制の下、アジアと世界に大変な惨禍をもたらした侵略戦争の痛切な反省から、平和と国民主権、基本的人権を基本理念とする新しい憲法が誕生しました。そうした理念に反する「国葬令」が廃止されたのは当然であります。国会審議も行わず「国葬」を強行することは、憲法の理念を体現するために積み上げてきた多くの努力を台無しにする暴挙と言えます。しかも周りにそれを止める人間がいなくなっているというところに、現政権の異常さと危険性が現れています。こうした憲法を蔑ろにする姿勢が、ここにきていよいよ極まってきたと感じます。何としても歯止めをかけなければなりません。

 10月3日、岸田首相は臨時国会の開催に際して所信表明演説を行いました。空虚で省察も展望も無い内容でした。異次元の金融緩和が招いた異常円安をまるで放置しても良いかのように、それを利用してのインバウンド強化を主張しました。「構造的な賃上げ」の具体的道筋や財源を示すことはなく、富裕層への課税強化や莫大な大企業内部留保への言及もありませんでした。それどころか、「ウクライナは明日の東アジアかも」と危機感を煽り「抑止力と対処力を強化することは最優先の使命」とまで述べ、「防衛力の5年以内の抜本的強化」のための予算措置・財源確保の方向性を示しました。加えて、エネルギー問題を理由に原発再稼働と「次世代革新炉の開発・建設」を加速すると述べ、「ノーモア・フクシマ」の願いに背を向けました。そして、県知事選など無かったかのように、明らかな「No」の民意が示された辺野古新基地建設を「唯一の解決策」と強弁しました。全体を通して、夫婦別姓やジェンダー問題へ取り組む決意は皆無、核廃絶についても毎度お馴染みの表現に終始し、その実効性は全く期待できません。所信表明の最後には憲法改正の発議に強い意欲を見せました。
 翌日の東京新聞は「消えた『分配』」、朝日新聞は「信頼回復の決意見えぬ」と痛烈に批判しました。そして、最も耳目を疑ったのは「3年ぶりに緊急事態宣言等の行動制限を行わずに今年の夏を乗り切れた」という認識を示したことです。過去最大の死亡者を出した第7波の評価がこれだとすると、この人物に国の舵取りは不可能です。現政権の政治姿勢は民意と乖離し過ぎており、このままでは、格差や貧困の解消、気候危機やエネルギー問題への取り組み、台湾海峡の安全と東アジアの平和、ジェンダー平等や個人の尊厳をまもるなど、国民の焦眉の願いが叶うことは決してないということが誰の目にも明らかになったといえます。「黄金の3年」などあり得ないと判断すべきで、いつ解散総選挙となっても不思議ではありません。

 10月13日、河野太郎デジタル相は、2024年秋に現在の保険証を廃止しマイナンバーカードへの一本化を行う方針を発表しました。任意である同カードの取得を、国民皆保険制度を利用して強制化するかのような極めて乱暴なやり方です。そもそも同カード取得が進まない最大の理由は個人情報漏えいの懸念であり、その背景には現政権への根強い不信感があります。現場の混乱は必至であり、容認できません。

 ロシアのウクライナ侵略戦争は、混迷を深めています。ロシア政府は武力で実権を奪い取った東部ルガンスク、ドネツクと南部のザポロジエ、ヘルソン4州で、軍の監視下で「住民投票」と称するイベントを実施し、その結果を根拠に同州をロシアに併合することを一方的に宣言しました。当然ウクライナは猛反発し、領土奪還の動きが強まるなど、軍事衝突が激化しています。そんな中、ロシアによるウクライナ全土に対する無差別ミサイル攻撃が再開され、多くの市民が殺されています。
国連は10月12日、緊急特別会合を開催し、今回の4州併合が違法であり無効であるとする非難決議を、3月の時を上回る143の賛成で可決しました。ロシアの国際的孤立は明らかですが、追い詰められたロシアが戦争をエスカレーションさせ、核使用に陥ることは何としても避けなければなりません。そのための冷静な交渉こそが求められる局面だと思います。ロシア側は兵力不足が深刻化し、補充目的での部分的動員を実施していますが、戦争を拒否する男性が大挙して国外に逃れようとする様子が連日報道されており、その数は既に70万とも100万とも言われています。この大義なき侵略戦争を止められる最も有効な力は、ロシア国内での反戦、反プーチンの声の拡がりだと思います。今回の国連決議の意義がロシア国民に正確に伝わることを願うばかりです。国際社会の支援・連帯が引き続き強く求められます。「戦争No」の声を発し続けていきましょう。

 9月7日、国連はジェンダー平等等に関するSDGsの達成状況を公表し、2030年までの目標達成には程遠いと現状を評価しました。女性国会議員比率は26.4%であり、日本を含む23か国で10%未満と発表しました。また、女性政治家・人権活動家に対する性暴力、ハラスメント、脅迫などがジェンダー平等推進を阻害していると警鐘を鳴らしています。クォータ制の導入や必要な予算措置など、具体的で迅速な行動が求められます。

 人々のいのち、健康に深く関わる医療・介護・福祉に従事する者として、意思表示と行動を起こし、戦争する国づくりと、「医療追い出し、介護とりあげ」の社会保障削減が一体となった政治の中で、引き続き、自公政権の暴走を阻止していきましょう。

 

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