MIN-IRENトピックス

2021年3月1日

理事会(2021年2月)増田会長あいさつ

 東日本大震災10年を目前にして、福島県沖を震源に大きな地震が東北で発生しました。現地の方々の心情を思うと胸が痛みます。心からお見舞いを申し上げます。これ以上被害が拡がらないことを祈るばかりです。

 新型コロナウイルス感染症第3波は、国民の行動制限の効果もあり、感染者数の減少傾向が確認できますが、下がり切っていないという認識が正しいのだと思います。警察発表では、入院できぬまま亡くなるケースは12月の56人を大きく超え1月は132人となりました。保健所機能は既に破綻しており、感染経路の追跡や自宅待機者への対応ができず、自宅で悪化した感染者の救急要請に対し数時間、搬送先が決まらないという事態が頻発しています。都道府県指定の「診療・検査医療機関」に対し、感染者情報の登録、家族内濃厚接触者の必要時検査、自宅感染者の観察と悪化時対応などを要請する内容の保健所長通知が東京都や埼玉県などで発出されています。昨年9月の厚労省通知を巡る騒動の際に、全日本民医連として見解の中で示した懸念が現実化したことになります。何度も指摘してきたことですが、保健所の統廃合など、公衆衛生事業を抑制してきた政府の失政の付けが回ってきた結果と言えます。
 そんな中、2月3日、改正特措法、改正感染症法が成立しました。関係団体の反対の願いもむなしく、指示に従わない感染者への行政罰の導入、病床確保勧告に従わない病院名公表など、国の失政を反省するどころか、罰則や制裁によって管理強化を図る、前代未聞の改悪が実施されてしまいました。今後、感染者への差別・偏見、地域中小民間病院への誹謗中傷が引き起こされる危惧があります。地域の医療機関、諸団体と協同して、当事者を守る取り組みを強化していかなければなりません。
 ワクチン接種がいよいよ本格化しますが、既に聞き及んでいる情報通りの効果が出ることを期待するばかりです。短期的な副反応の実態もある程度明らかになってきており、まずは医療者への接種を各地でどう具体化するのかという課題に取り組むことになります。但し、長期的な身体への影響については未知数であり、現在、判っている情報をなるべく正確に伝え、各個人の意思を尊重することが求められると同時に、打たない選択をした個人へのバッシングが生じないような丁寧な対応が求められます。

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森善朗前会長の女性蔑視発言が引き金になり、女性の権利やジェンダー平等について、世界的に注目が集まり、特にこの国での実態に対する怒りの声が数多く発信されました。森氏は辞任に追い込まれましたが、日本社会に女性蔑視の風潮が根強く残っているという事実が露わになったと言えます。
 女性有識者によるWEBでのクロストークで、その組織の役員や基幹会議メンバー内の女性比率の増加そのものに価値があり、その為に行動することの重要性が指摘されていました。長い間続いてきた「男性偏重人事」などの改革を民医連自身が範を示しつつ、ジェンダー平等を実現するための行動に臨んでいくことを強調したいと思います。また、多くの場合女性が担ってきたケア労働への処遇が低くとどめ置かれてきた現実を変えていくための政治的働きかけを強めることが大変重要な課題となります。

 1月22日、悲願であった核兵器禁止条約が発効しました。被爆者の姿・声を通して核兵器の非人道性が広く知られたこと、加えて、核兵器による地球環境への影響など、もはや無関係の国は一つもなくなったという状況下で、小国も含めて当事者性を発揮した成果だと私は思います。NPT(核拡散防止条約)第6条の全面実施を強固に後押しするものであり、かつて生物・化学兵器や対人地雷などの分野でそうであったように、核開発などに関わること自体が非人道的であるという世界世論を背景に、各国政府、企業、金融機関、研究機関などで核兵器への関与を見直す新しい変化が生まれることが期待されます。取り組みが開始された「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」を大きく拡げたいと思います。

 国際NGOオックスファムは、恒例の年次報告書を1月25日に発表しました。それによると、世界の富裕層上位1000人はコロナ禍での損失を9か月で取り戻し、10億ドル以上の資産を持つ富裕層は2020年3月~12月の間に3兆9000億ドル増やし、合計総資産は11兆9500億ドルとなった、これはG20がコロナ禍での経済対策に投じた総額に匹敵するとのことです。一方、貧困層は2億~5億増加したと考えられ、そうした層がパンデミック前の状態に戻るのには10年以上はかかると述べられています。そして、富裕層への課税や社会保障の底上げなどを各国に求めています。コロナ禍での格差と貧困の深刻化は全世界で起こっており、税制や社会保障の在り方を公正の視点で改革していくことが万国共通の課題になっていると言えます。

 人々のいのち、健康に深く関わる医療・介護・福祉に従事する者として、意思表示と行動を起こし、戦争する国づくりと、「医療追い出し、介護とりあげ」の社会保障削減が一体となった政治の中で、引き続き、菅政権の暴走を阻止していきましょう。

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