事業所のある風景

2014年6月15日

兵庫/生協なでしこ歯科 お口の生涯管理をめざして

 生協なでしこ歯科は、神戸市の北西部、神戸市西区にあります。「株式会社 神戸市」と言われた開発行政のなかで、西区の山々を崩した土砂を、臨海 部のポートアイランド・六甲アイランドへ運び、埋め立てが進められました。同時に多くのニュータウンが西区に開発されましたが、生協なでしこ歯科のある伊 川谷は、唯一古くからの田畑が広がる、のどかな地域にあります。神戸市営地下鉄伊川谷駅徒歩1分の好立地にもかかわらず、西区は交通不便で、車で来院する 患者が非常に多いことも特徴です。

地域に根差した歯科事業所を

 「西区地域に事業所がほしい」という地域の思いと、センター歯科 である協同歯科周辺地域の高齢化・施設的限界から、小児・障がい者部門を移すことを含め、2005年5月に神戸医療生協の4番目の歯科として開設しまし た。「いつでも・だれでも・安心してかかれる歯科」の基本理念を施設設備に取り入れ、「全館完全バリアフリー化」「障がい者乗降専用駐車場」「ストレッ チャーも乗れるエレベーター」「ベビーベッドを備えた広いトイレ」など、赤ちゃんから高齢者、障がい者に配慮された事業所づくりを進めました。また、地域 活動の拠点として、組合員が気軽に利用できる「生協会館」も設置しています。
 地域に根差した歯科事業所となるよう、西区の区花である「なでしこ」が名称に用いられています。

民医連歯科事業所として、私たちがめざす歯科医療

 生協なでしこ歯科は、神戸医療生協がこだわってきた「予防歯科」をさらに発展させ、口の中から全身の健康を守ることを大切にしています。赤ちゃんから高齢者、障がい者の口腔に対する生涯管理をめざし、定期検診にも重点を置いてとりくんでいます。
 「開設して間もなく生協なでしこ歯科につばめが巣を作りました。つばめは災いを遠ざけ、幸福をもたらす鳥と言われています。家族そろって毎年同じ場所へ 帰ってくるという習性が定期検診につながる」と、成人科の定期検診は「つばめの会」と名付けられました。

いつでも・誰でも・安心してかかれる歯科を

 生協なでしこ歯科の歯科医療活動の1つに、障がい者歯科がありま す。協同歯科時代からの障がい者に対する歯科医療活動を継続・発展させ、「障がいのある人にも、健常な人と同じように受診し、より健康で元気に過ごしてほ しい」と願っています。他院では受診を拒まれ、歯科治療を諦めていた知的障がい者を断ることなく受け入れています。最初は意思疎通ができなかったり暴れた りした患者も、スタッフと介助者が根気よく接することで、1人で歯磨きができるようになりました。また、西区地域には多くの知的障がい者施設があり、いく つかの施設と連携して障がい者の口の健康を守っています。今では、月約600人の障がい者の方が、生協なでしこ歯科を利用しています。
 開設当初、1日平均70人ほどの患者数でしたが、今では約120人、年間延べ約3万6000人の患者に利用されています。近隣のニュータウンも高齢化が 進むなか、地域から求められる歯科、利用者にやさしい歯科として、「いつでも・誰でも・安心してかかれる歯科」を継続していきます。
生協なでしこ歯科 事務長 森 貞夫)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2014年6月号.No.502より

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