副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

2014年7月21日

副作用モニター情報〈419〉 ミノドロン酸50mg錠による痛みについて

 骨粗鬆症治療に用いられるビスホスホネート製剤である、ミノドロン酸50mg錠(monthly製剤=製品名:ボノテオ錠、リカルボン錠)による痛みの副作用報告が、過去1年間に3例ありました。
 症例)70歳前半、女性 ミノドロン酸50mg錠を初回服用。翌日から倦怠感があり右肩が上がらず、2日後から全身の痛みが出現し、眠れなくなった。症 状は少しずつ軽減し約20日後に回復した。

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 経口ビスホスホネート製剤は服用方法が煩雑であることから、毎日服用のdaily製剤からweekly製剤、あるいはmonthly製剤へと、用量を増やし投与間隔を空ける工夫がされてきました。
 今回の症例のような全身倦怠感、関節痛、筋肉痛、発熱、骨痛などのインフルエンザ様症状は、窒素を含有する第2世代以降のビスホスホネート製剤で多くみ られます。毎日服用する低用量製剤に比べ、高用量製剤では特に服用後3日以内の急性期症状が報告されています。
 ミノドロン酸については、市販後に「筋・骨格痛」が発現するケースが集積され、2012年6月には添付文書へ追記となりました。原因は未解明ですが、窒 素含有のビスホスホネート製剤の作用の過程で、集積されるイソペンテニルピロリン酸という物質が、炎症性サイトカインの合成を促進し、筋・骨格系副作用に つながるのではないかとみられています。
 症状の多くは軽微で、2週間以内に回復することが多いようです。「2週間程度はdaily製剤を服用、その後weekly製剤かmonthly製剤へ変更することで防止できる」という報告もあります。
 しかし、今回のような一過性の急性期症状とは異なる重度の筋骨格系疼痛の症例も報告されており、昨年発売されたmonthlyの注射製剤であるイバンド ロン酸ナトリウム(ボンビバ静注)では、承認時に製造販売後調査の必要性が指摘されています。

(民医連新聞 第1576号 2014年7月21日)

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