事業所のある風景

2014年7月15日

神奈川/葉山クリニック いつでも、気軽に相談、利用できるクリニックをめざして

 葉山クリニックのある葉山町は、三浦半島の西北部に位置し、東西に長く、逗子市、横須賀市に接し、西は相模湾に面しています。明治の時代から、風 光明媚な地として、天皇や要人の保養地・別荘地となった海側と、周囲が山に囲まれ、棚田が今も残る地域からなり、人口は約3万3000人の町です。葉山ク リニックは山に囲まれた緑豊かなところにあります。

 葉山クリニックは、法人の病院建設計画のもと、1981年に現在 地に土地を購入し、1983年にクリニックとしてスタートを切りました。その後、1988年に糖尿病の教育病棟を中心とした30床の病院を建設しました が、経営的には大変困難な状況が続き、そのようななか、当時の院長が退職。1994年、現所長の平野惠造医師が川崎医療生協から赴任されました。
 その後、有床診療所化、1999年には無床診療所としました。2001年に、今後の方向性についての検討を行う将来構想検討委員会を発足させました。 2003年、「長年の赤字構造の基本的解決を実現する」ことを主たる目的とした、新しい介護事業を含めた事業計画を作り、2005年にクリニックと介護事 業を併設した事業所として再出発をしました。リニューアルに際しては、6000万円の出資金の増資を目標にし、地域での事業計画の説明会を開きながら、法 人を挙げて組合員訪問を行い、増資目標を達成しました。

 現在、葉山クリニックは、外来の診療部門と定員33人の通所介護 事業所、24床の短期入所生活介護事業所、居宅介護支援事業所を併設しています。診療部門は、主に午前中の診療で、1日平均患者数は約40人で、内科が中 心です。在宅医療も重視し、週3日、午後に訪問診療を行っています。通所介護事業所は、1996年に老人デイケアとして開始し、2005年にデイサービス 「元気」として規模も大きくしました。
 毎年クリスマスの時期には、職員たちが、桃太郎やかぐや姫などの昔話を題材にして、今の話題も盛り込んだ面白い台本をつくり、仕事の終わったあと練習を 積んだ職員たち自身が演じる劇が1週間にわたり「興行」されます。この劇はもう11年も続けており、デイサービス「元気」の看板メニューで、利用者には大 変喜ばれています。
 短期入所生活介護事業所は「ショートステイ安護楽」と名前を付け、利用者が楽しく集い、安心して介護を受けられる場としたいとの願いを込めました。開設 以来、いろいろな事情で当施設での看取りを希望される方の受け入れも行ってきました。職員は、利用者が求めているもの、また、必要なことは何かを絶えず考 えながら、利用者が1日のうち1回は楽しかったと思ってもらえる時間を作ろうといろいろな工夫を凝らしています。24床ある部屋を埋めることは大変で苦労 しています。介護事業には、多くの医療生協組合員のボランティア活動が行われ、傾聴や朗読、コーラス、楽器演奏など楽しい介護づくりを行ってもらい、利用 者に喜ばれています。
 医療と介護が連携し、組合員とも協同し、気軽に相談でき、地域に頼られるクリニックをめざし職員みんなが頑張っています。
葉山クリニック 事務長 世戸 茂摩)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2014年7月号.No.503より

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