憲法・平和

2014年12月1日

勝った! 新基地いらない 県民の意志示す 沖縄知事選11・16現地ルポ

 沖縄が歴史的な一歩を踏み出しました。県知事選挙で辺野古への新基地建設に反対する翁長雄志(おながたけし)さんが勝利したので す。「これは沖縄だけのたたかいではない。私たちのたたかいだ」と、全国から支援に駆けつけた民医連の仲間は九一一人(のべ二六六四日)です。一一月一六 日の様子をレポートします。(田口大喜記者)

 投票日前夜に記者が沖縄に到着すると、国際通りで翁長さんの最後の訴えを沿道を埋め尽くす七五〇〇人が見守っていました。聴衆の顔ぶれは、おじい、おばあなど大人だけでなく、子どもたちまで。「新基地ノー」のオール沖縄の民意を見ました。
 四年前の「基地は県外」との公約をひるがえし辺野古新基地建設を容認した仲井眞前知事に対して「一部の政治家や知事はブレても、ウチナーンチュ(沖縄 人)はブレていないことを選挙で示しましょう」と呼びかけた翁長さんに、“オナガ”コールが沸き起こりました。

歴史のページが開かれる

 投票日の沖縄民医連。投票箱のフタが閉まるまでがんばろうと意思統一。この日まで残った支援者は七人。初めて選挙活動をする人や、一カ月間滞在して活動してきたという京都からのベテランまでさまざまです。
 長野・松本協立病院の三浦史子さんは二年目の職員です。「沖縄でタクシーの運転手さんと翁長さんのことで会話が弾みました。選挙カーにも初めて乗り、緊 張しましたが、街の反応にだんだん楽しくなってきちゃって。他県から来た支援者と友だちにもなれました。この歴史的な瞬間に立ち会えることが何より嬉しい です」。
 「ヘリや飛行機が爆音を立てて飛び、その下で子どもたちが気にする様子もなく無邪気に遊んでいました。こんなことが生活の一部となれば大変です」と山 口・健文会の浅田徹さん。沖縄は二度目ですが、基地問題を意識して沖縄を見たのは初めてだそうです。

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 午後八時前、開票を待つ翁長事務所にはメディアも押し寄せ緊張した空気が。ほどなくして翁長さん「当選確実」の報。歓声と拍手の渦に包まれます。皆立ち上がり、抱き合い、万歳三唱。
 「基地は経済活動を阻害する」と地元経済界から初めて表明した、かりゆしグループCEO・平良朝敬さんも「沖縄人の誇りと尊厳を取り戻しました」。

「沖縄に教えられた」

 民医連の仲間が拠点にしてきた五者共闘事務所には沖縄民医連職員や支援者三〇人が集まりました。「みんなと万歳をしに来たんだ!」という支援者たちも。三線に合わせてカチャーシーも踊りました。
 「泣き出しそうです。人のいのちは何よりも大切。何かを変えようと思った時は、自分たちで働きかけなければならないことを改めて教わりました」と、これ まで四〇回近く沖縄に足を運び、いっしょにたたかってきたという千葉・北部診療所の郷野仁事務次長は語りました。
 「勝ててホッとしました。四カ月間、民医連の力を結集してがんばってきた結果が早々に出て嬉しい。これを励みに沖縄のたたかいを続けていきます。やっ たー!」と喜びを語るのは、沖縄民医連・外間貞明事務局次長です。
 開票の最終結果は翁長さんが三六万票を獲得。仲井眞氏に約一〇万票の差をつけて圧勝しました。また同日行われた那覇市長選挙では城間幹子さんが、自民・ 公明の推した候補をダブルスコアで破って当選。県議補選では、元民医連職員の比嘉瑞己さんと、具志堅徹さんが当選、三人の県議補選のうち二人が翁長さんと 共に「建白書」の実現をめざすことに。嬉しい報告が続きました。

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 沖縄民医連は翌一七日に全国の仲間に向けてお礼と決意のメッセージを発信。「安倍内閣を打倒する絶好のチャンスが到来しました。国民の願いとは真逆に舵をとり暴走する安倍政権に、政治の舞台から退場してもらいましょう」と呼びかけています。

(民医連新聞 第1585号 2014年12月1日)

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