くすりの話

2014年11月1日

くすりの話 172 くすりの飲み方

Q:食前・食後・食間っていつ飲めばいいの?

genki277_03A:薬を飲む時間は薬の性質により異なります。いつ飲むと身体に吸収されやすく効果が出やすいか、胃に負担をかけにくいかなどの点を考えた上で、決められています。
 食前は食事の約30分前、食後は食事が終わって約30分以内を指します。食間は食事と食事の間を意味し、食事が終わってから約2時間後のことを言いま す。決して食事中というわけではありません。食後2時間ほど経つと、胃の中から食べたものがなくなるため、身体に吸収されにくい薬は食間に飲むよう指示さ れます。いつ飲んでも効果にそれほど差がない薬は、飲み忘れを防ぐために食後に飲むのが一般的です。

Q:どうして同じ名前の薬が何種類もあるの?

A:飲み薬には錠剤・カプセル・散剤(粉薬)・水剤(シロップなど)、外用薬には貼り薬・塗り薬・坐薬・点鼻薬・点眼薬・吸入薬などがあります。これらの異なる形態のことを剤形と言います。
 同じ成分・名前の薬でも異なる剤形が存在するのは、年齢・症状・用途に応じて、必要な身体の部位に、必要な量の薬を届け、その効力を十分に発揮させるためです。
 錠剤が飲みにくい方は、同じ成分の散剤や口の中で溶けやすい錠剤(口腔内崩壊錠)に変更できます。また通常の錠剤しかない薬剤でも、粉砕して、粉状にすることもできます。
 ただし、薬によっては粉砕できないものもあります。飲みにくい薬があるときや、薬の飲み方・使い方がわかりにくいときは医師・薬剤師に相談してみましょう。

Q:薬を飲み忘れてしまったら?

A:薬の種類により対応が異なります。
 通常は気づいた時点で服用しますが、飲み忘れに気づくのが遅れ、次の服用時間が近いときは1回分は飲まずに次の分から飲みます。次の服用時間まで気づかなかったときは2回分まとめて服用はせず、1回分だけ服用しましょう。
 食事の直前に飲む糖尿病の薬や、起きてすぐ飲む骨粗しょう症の薬など、効能上、飲み方を特に気をつけなければいけないものもあります。飲み忘れたときの対処方法を前もって医師・薬剤師に確認しておきましょう。
 よく「朝食を食べなかったから薬も飲まなかった」と言う方がいますが、食事をとらなくても服用できる薬もあります。薬の種類によって効力が違うので、この点も確認が必要です。
 自覚症状がない病気の場合、うっかり飲み忘れることがあるかもしれません。しかし症状がなくても身体の状態をコントロールしたり、発作などを予防するた めに飲み続ける必要がある薬もあります。飲み忘れが気になる方にはお薬カレンダーや、1回分ずつ袋にまとめてパックする一包化もおすすめしています。お気 軽に薬剤師にご相談ください。

いつでも元気 2014.11 No.277

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