くすりの話

2015年2月2日

くすりの話 175 プライマリ・ケア認定薬剤師

Q:プライマリ・ケアって何のこと?

23-01A:プライマリ・ケアは「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」のことです。
 日本プライマリ・ケア連合学会には、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・介護士などが参加し、さまざまな職種がいっしょに考え、活動するという特色があります。これからの超高齢社会のなかで、地域医療はますます重要となり、多職種間の連携・協働なしには成り立たないからです。

Q:プライマリ・ケア認定薬剤師とは?

A:プライマリ・ケアについての研修を受け、所定の単位を修得し、試験に合格することにより認定されます。認定は、プライマリ・ケア連合学会によりおこなわれます。
 一度認定された後も、実績を積まなければ認定を更新できません。薬の専門家として患者さんを総合的に見て、必要な対策を提案・実行する能力と、多職種と連携する能力が必要です。
 現在、日本では108人が認定を受けています。さらに多くのプライマリ・ケア認定薬剤師を育成していく役割も担っています。

Q:プライマリ・ケア認定薬剤師はどんなことをしてくれるの?

A:地域の薬局にいる身近でかかりやすい薬剤師として、子どもから高齢者まで、健康なときも病気のときも、継続して幅広い医療・健康サービスを提供します。
 調剤では薬の効果や副作用の確認だけでなく、患者さんの生活に合わせ、1日の服用回数を変えることが可能か医師に確認したり、飲み忘れ・飲みすぎを防ぐためにわかりやすくパックに包装するなどの服薬支援をします。体調不良や病状など、地域住民の訴えを聞き、医療機関を受診した方がよいか相談に応じます。
 また、患者さんが訴える症状が危険な兆候かどうかを見極め、救急隊を呼ぶ場合は迅速に患者さんの状況を報告するなどの専門的な研修も受けています。健康食品や漢方薬に関しての情報提供や、食事・運動・生活習慣の改善の指導など、予防的なとりくみへのアドバイスもします。
 薬局の外でも幅広い業務をおこないます。在宅医療では、訪問時に意識障害やショック状態の患者さんを発見した際、意識レベル・呼吸状態・血圧などをチェックし、緊急性を評価してただちに主治医に連絡をするなど、それぞれの分野の専門家と連携して「チーム医療」を推進します。
 プライマリ・ケア認定薬剤師は、みなさんが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるようサポートする薬剤師です。また、プライマリ・ケア認定薬剤師以外でも、民医連の保険薬局の薬剤師はプライマリ・ケアを目指して活動しています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

いつでも元気 2015.02 No.280

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