Dr.小池の世直し奮戦記

2015年3月31日

Dr.小池の世直し奮戦記 卑劣なテロを許さない ─平和な世界を子どもたちに

 過激武装組織IS(イスラミックステート)によって、湯川遥菜さんに続き、ジャーナリストの後藤健二さんが殺害されました。残虐で卑劣なテロ行為は、断じて許せません。国際社会が結束して国連安保理決議にもとづき、外国人戦闘員の参加を阻止し資金源を断つなど、ISを孤立させて追いつめ、武装解除・解体に追い込むことが求められます。
 そして、このようなことを二度とくり返さないためにも、日本政府の対応について冷静な検証が必要です。私はそんな思いで、二月三日の参議院予算委員会のときに安倍晋三首相に質問しました。

冷静な検証求められる政府の対応

 安倍首相は、一月一七日にエジプトで「ISと闘う周辺各国に二億ドル支援する」と演説しましたが、「非軍事の人道支援」という言葉はありませんでした。「非軍事」だと強調したのは、ISによる殺害予告(一月二〇日)の後で、安倍首相がイスラエルでおこなった記者会見(二一日)からでした。
 私は「湯川さん、後藤さんがISに拘束されていると知っていながら、総理がこのような演説をおこなえば、二人の日本人に危険が及ぶことを心配しなかったのか」と問いました。ところが安倍首相は「テロリストに対して過度な気配りをする必要はない」と答弁しました。
 私はテロリストに「気配りをせよ」とは言っていません。拘束された二人に「気配り」したのかと問うたのです。さらに質問すると、安倍首相は「小池さんはISを批判してはいけないと言っているような印象を受ける」と答弁。議場は騒然となりました。
 「朝日新聞」(二月二二日)は社説でこのやり取りを紹介し「首相の答弁はまるで『イスラム国』と闘う首相に対しては批判をしてはならないような印象を我々は受ける」と書きました。あたりまえの疑問や懸念の声をぶつけただけで「テロに屈するのか」とはねつけるようでは、冷静な検証はできません。

事件を軍事活動拡大に利用

 さらに安倍首相は今回の事件を受けて「邦人救出」を名目とした、自衛隊の海外派兵の拡大を狙っています。しかし自衛隊による“人質救出作戦”とは、相手を制圧する軍事作戦で、集団的自衛権行使を容認した閣議決定(昨年七月)ですら認めていません。あまりにも危険で、人質の命も自衛隊員の命も危険にさらすことになります。
 海外における自衛隊の軍事活動を拡大するほど、自衛官はもちろん、日本人が国内外で危険にさらされる可能性が高まります。そんな道を進んでいいのでしょうか。

テロも報復戦争もない世界を

 後藤健二さんは紛争地域の取材を続けながら、子どもたちの命の大切さを訴えるメッセージを送り続けました。彼はブログに「小さな心と身体に、背負いきれないほどの大きな重荷を背負わせてしまう──それが戦争」と書きこんでいます。こうした思いを無残にうち砕いた、ISの蛮行に心からの怒りがわきます。
 同時に、この機に乗じて自衛隊の軍事活動を拡大することも許されません。テロも報復戦争もない平和な世界をつくることが、世界の子どもを愛し、戦争を憎んだ後藤さんたちの無念にこたえる道ではないでしょうか。

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