MIN-IRENトピックス

2015年6月2日

核兵器NO! 世界に訴えた NPT行動参加リポート

 4月27日から、国連本部でNPT(核不拡散条約)再検討会議が開かれました。これにあわせ「地球上から核兵器廃絶を」と願う人びとが世界中からニューヨークへ結集。民医連からも約200人が日本原水協の代表団の一員として参加しました。愛媛民医連の代表になった若手職員3人のリポートです。

国際行動デー
世界の人とつなぐ手

 四月二六日、「核兵器のない世界のための国際行動デー」のピースパレードへ。愛媛代表団一四人は、お揃いのはだしのゲンTシャツで参加しました。
 愛媛民医連はこのパレードに向けて全長約六メートルのこいのぼり型の横断幕を作りました。うろこに見立てた布一枚一枚に職員・組合員の平和・反核を願うメッセージを書き、縫い合わせたものです。ニューヨークの青空の下、大きなこいのぼりがたなびき、アピール力抜群。パレード参加者や道行く人々に大好評、たくさん写真を撮られ、一緒に記念撮影もしました。
 またパレード最終地点の国連本部に近いハマーショルド広場で職員と組合員ではだしのゲン紙芝居を英語で上演。子どもから大人まで立ち止まって聞いてくれました。動画を撮り、「とても良かったので他の人にも見せるよ」と言ってくれた人と握手を交わしました。
 ピースパレードや各種のつどいに参加し、国境を超え、宗教を超え、みなで手を携え、核兵器廃絶へのとりくみが少しずつ前進していることが実感できました。
 一人ひとりが共同し声をあげ続けることが運動になる―。核兵器廃絶や平和のために自分にできることをコツコツと継続していこうと思っています。

(小笠原杏奈、愛媛民医連事務局)

核実験博物館
核保有国の教育

 四月二九日、ネバダ州ラスベガスの核実験博物館を訪問。ここには米国の核開発や核実験の歴史と意義が展示されていました。
 日本への原爆投下を紹介するパネルには、建物倒壊の説明はありましたが被爆者には触れていません。核実験の見学は観光アトラクションにもされていたそうで、キノコ雲を見物する観客は、広島・長崎を知る私には異様でした。
 大気圏内核実験を再現し、キノコ雲の映像や振動と風が体験できるという「グランドゼロシアター」もありました(迫力は今ひとつ)。
 地下核実験を紹介するコーナーには、高度な技術を紹介する模型やパネル展示が。また原爆の平和利用や、汚染物質を貯蔵する研究、核事故対応の訓練の様子も展示されていました。
 第五福竜丸事件や実験場にいた先住民の紹介、核実験の失敗に触れた展示もありましたが、核兵器の恐ろしさを伝えるものは皆無。館員は「核廃絶が理想だが、核開発は必要」と核抑止力論に基づいた説明をしました。
 米国で核兵器がどんな風に教育されているかを実体験として知ることができました。

(岡真奈美、愛媛生協病院・医師)

ネバダ核実験場
「核抑止論」にしがみつく姿

 四月三〇日、ラスベガスの核実験場に入りました。大気圏中で一〇〇回、地下で八二八回もの核実験を行った場所です。実験に使われた家、実験動物をつないだ杭、放射能測定器などが生々しく残されていました。大きなクレーターもいたる所に。エネルギー省の案内で広大な実験場をバスで見学。省の職員は放射能の影響を過小評価し、核兵器が国家存続に必要だったかのように説明しました。
 バスを降り、直径三九〇メートル、深さ一〇〇メートルの巨大なクレーターも間近に。これは核兵器が巨大工事の際、ダイナマイトのように使えないか実験した跡でした。結局、放射能汚染がひどく、爆発後は近づくこともできませんでした。実験は一九六二年、最初の核実験から一〇年も経て、そんなことも分からなかったのかと疑問でした。国民にも放射能の害を知らせず実験をすすめたのでしょう。
 「核抑止力論」や「原子力の平和利用」にすがりつくアメリカ政府の姿を見た気がしました。

 (村中恵、愛媛生協病院・事務)

(民医連新聞 第1597号 2015年6月1日)

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