介護・福祉

2015年8月4日

私のお仕事 福祉用具専門相談員

 多彩な職種が働く民医連事業所。それぞれがやりがいを語る連載。21回目は福祉用具専門相談員です。

 利用者が安全に自立して在宅で過ごせるよう、ベッドや車いすなどの福祉用具を使ったり、住宅改修し手すりを取り付けたりする環境整備のお手伝いが仕事です。住み慣れた自宅を「終(つい)の棲家(すみか)」とした場合、使いやすさや費用など、様々な面で可能な限り負担が減るよう、利用者に「合う」福祉用具の提案・提供を意識しています。
 入職当初は、調整会議などでものすごく早口ですすむ会話と専門用語に困惑しました。また、担当者会議に医師まで参加していて、患者に寄り添う民医連らしいとも感じました。
 同じ福祉用具を扱う仕事でも、各自治体の施策によって利用者への対応は異なります。民医連には他職種とも気軽に相談し合える組織とシステムがあるので、さまざまなケースを交流しあい民医連運動に結び付けられれば良いと思います。

利用者の想いに添い、身体にも合った福祉用具を

 利用者の座高などを計測し車いすのシーティングがうまくできたときは嬉しいですが、意外とマットレス選びが難しいケースがあります。それは、「介護レベル」から「自立レベル」へ向かう利用者さんの場合です。除圧効果を優先するか、寝返りしやすい反発効果を優先するか、用具屋としては悩みどころ。ご本人の思いを聞き取りながら、身体状況を納得してもらうために何回か試してもらいます。最後に本人や家族から「ありがとう」と言ってもらえると、それまでにあった様々な苦労は一瞬で吹き飛びます。

情勢に流されず、「おかしい」と思ったら行動しよう

 政府が提言した「川上から川下へ」という観点からすれば、在宅での住環境整備という私たちの職業の立ち位置は「川下のさらに下」と感じています。そんなところにも今後、容赦ない削減と利用抑制の風潮が推しすすめられようとしています。しかし、「しょうがない」「どうせそうなるんでしょ?」という諦めではなく、「川上」(政府)の動向を意識し感じて、おかしいと思ったことは声に出して行動してみることが大事なのではないでしょうか。最近、近隣の社保委員会として「9条Tシャツ」を作りました。当事業所ではスーパークールビズと銘打って、そのTシャツを着て業務しながら職員全員で訴えています。

 (宮城・福祉用具相談センターフィット 松川健一)

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(民医連新聞 第1601号 2015年8月3日)

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