健康・病気・薬

2015年8月18日

副作用モニター情報〈443〉 ランソプラゾールによる副作用

 当モニター429号(1月19日付)では、ヘリコバクター・ピロリ除菌療法(以下、除菌療法)に用いる薬剤による副作用について紹介しました。今回は、除菌療法に用いられる薬剤のうち、ランソプラゾールについて、2014年度の1年間に報告された副作用を横断的に見てみました。
 報告症例数は32例。除菌療法後の薬疹が12件、除菌療法中では、薬疹・アナフィラキシーが8件、口の中の症状(口内炎・舌炎・違和感・味覚異常・荒れ・痛みなど)が3件(除菌療法後の薬疹1件と重複)でした。除菌療法以外の場面では、以下10例の報告がありました。
症例1)開始当日から倦怠感、中止後1日で回復
症例2)先発品のタケプロンからランソプラゾ―ルOD錠「DK」に変更したところ、服用30分後に顔面紅潮・息苦しさ・前胸部から腋下にかけての痒みが出現
症例3)開始後2日目に全身に大きめの発疹。翌日中止して改善
症例4)開始後3日目から多形紅斑が出始め、全身に広がった。中止後3週間で回復
症例5)ロキソプロフェンと併用で開始後6日目から体に発疹と痒み。中止後7日で回復
症例6)長期服用中。トラニラストの追加後12日目に四肢背部に紅斑等出現、LST(リンパ球刺激試験)陽性
症例7)開始後5日目に口内炎と舌炎を発症。中止後2~3日で回復
症例8)開始後5日目にクロピドグレルを追加、7日目に白血球が1640個/μLまで減少。両薬剤中止後1週間で3000個/μL以上に回復
症例9)開始後5カ月半で下痢と発疹。下痢は約2週間で改善。コラーゲンバンドを疑う
症例10)発現期間不明の乳首の痛み。中止後3カ月で回復

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 アレルギー関連症状が除菌療法中も含めて13件(すべて服用開始後3日以内に発症)、口の中の症状が4件(すべて服用開始後5~6日目に発症)、という副作用の傾向が見えてきました。当モニターでは、オメプラゾールもラベプラゾールと同様の傾向でした。

(民医連新聞 第1602号 2015年8月17日)

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