くすりの話

2002年4月1日

くすりの話 54 ジェネリック薬品で医療費を下げられます

Q:医療費を下げるのにジェネリック薬品が有効と聞きますが、ジェネリック薬品って何ですか?

genki126_04_01A:医療機関や調剤薬局で処方してもらう薬(医療用医薬品)には、同じ成分、効果でも薬価(国が定めた薬の値段)がちがうものがあります。
 薬価が高いのは先発品と呼ばれる薬で、日本で最初に発売された薬(新薬)です。これに対して、後発品(ジェネリック)と呼ばれる薬は一般的に先発品の特 許期間満了後(20~25年)に製造、販売される薬のことで、新薬の研究開発費、新薬承認審査にかかる費用がかからない分薬価が安く設定されています。
 ジェネリックとは、「一般的な」という意味があり、欧米では、後発品は一般名(成分の名前)で処方されることが多いため、この名前がつきました。
 ジェネリック薬品の薬価は、先発品の80~40%に設定されています。
 ある高血圧の薬を比較すると以下のような表になります。

  用法用量 薬 価 1日薬価 1カ月薬価
先発品 1錠2回/日 43.1円 86.2円 2586円
ジェネリック 1錠2回/日 17.2円 34.4円 1032円

 単純にこの薬剤だけで比較しても、1カ月で1554円医療費をひき下げることができ、3割負担とすると466円患者さんの負担を下げることができます。 切り替え可能な先発品をジェネリックに置き換えるだけで、1年に1兆円の医療費を節約できるといわれています。

Q:ジェネリック薬品は安全ですか?

A:ジェネリック薬品は、新薬の特許がきれるまで長期間使用されているため発売されてまもない新薬に比べ、効力や副作用について十分に検討されています。
 ジェネリック薬品は、製造の申請時に製品の品質に関する試験や先発品との同等性を検証する試験(生物学的同等性試験)をおこなっています。今日の民医連 の院所ではジェネリックを採用する場合、これらのデータをジェネリックメーカーに提出してもらい、検討しています。ジェネリック薬品は世界的に見てもため されずみの治療に実績のある薬品が多いのです。
 医療の発展には、新薬の開発もたいせつなことですがジェネリック薬品をうまく使って、有効で安全な薬物治療の実践と患者の負担を減らし、医療費を節約することも重要な取り組みだと思います。

いつでも元気 2002.4 No.126

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