くすりの話
2002年6月1日
くすりの話 56 ジェネリック薬品で医療費を下げられます パート2
Q:ジェネリック薬品の使用を採用する上で、病院ではどのようなことに注意していますか?
A:何よりも薬の品質が大切です。4月号でも述べましたが、先発品と品質に関する比較(薬の溶け方や体への作用が同じかなど)のデータの検討を重視して行なっています。
これらのデータがきちっと医療機関に提示できないジェネリックメーカーの商品は、薬価がいかに安くとも患者さんに使用すべきではないと考えています。
また、ジェネリック薬品を使用していく際、新薬や先発品とおなじように、使用後に効果や副作用を医療機関側でチェックすることが重要です。
医療が改悪され続け、患者さんの自己負担が多くなっています。医療機関が患者さんの受療権を守る方法の1つとして、価格の安いジェネリック商品を使うことにより患者負担を減らすことは、薬剤の採用を決めるときの大切な視点です。
全日本民医連の薬剤委員会では厚労省に先がけて50成分1300品目のデーターブックを作成し、ジェネリックの採用時に活用しています。
Q:ジェネリック薬品を希望するには、どうしたらよいでしょうか?
A:医師が処方した薬に対して、調剤薬局の薬剤師が薬の専門家の立場から、品質と患者さんの負担を考慮し、患者さんの同意の上で同一成分の「他の名前の医薬品」に替えることができる代替調剤という制度が、欧米では一般的に行なわれています。
今年4月の診療報酬の改定で、医師が薬を一般名(薬の成分の名前)で処方箋に記載すると、患者さんの同意のもとにジェネリック薬品を調剤することができるようになりました。
代替調剤の制度が欧米なみに充実されれば、ジェネリック薬品は、もっと使いやすくなるでしょう。
先にも述べましたように民医連では、患者の自己負担を軽減し、国の医療費自体も抑えることのできる「ジェネリック薬品」について積極的に使用していくことが検討されています。
皆さんも医療機関や薬局でジェネリック薬品の使用についてお尋ねになってはいかがでしょうか。
いつでも元気 2002.6 No.128
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