くすりの話

2002年12月1日

くすりの話 60 ぬり薬の使い方

Q:アトピー性皮膚炎です。ステロイド外用薬の正しい使い方は?。

A:アトピー性皮膚炎の治療には、のみ薬やぬり薬が使われます。これらは、病気の原因に対する治療ではなく、現在、現れている症状を抑えるために使用されます。炎症がひどく、皮膚の症状が悪化している時には、ステロイド外用薬が使用されることがあります。
 ステロイド外用薬は副作用があるため、使用をためらう人も多いようですが、正しく使えば、皮膚の炎症を抑えることに非常に高い効果を発揮します。
 副作用としては、「皮膚が薄くなる。皮膚の赤みが増す。皮膚の感染症にかかりやすくなる。紫斑(皮下の内出血)ができやすくなる」など、くすりをぬっている皮膚への部分的な副作用があります。
 全身への影響については、体内へ吸収される量が少ないため、ふつうはあまりありません。しかし、医師の指示以上に、大量に、長期に使用していると全身的な副作用をまねくことがあります。
 ステロイド外用薬は、効きめの強さによって何段階かにわかれています。また、軟こうやクリーム、ローションなど薬のかたちもさまざまで、多くの種類があ り、皮膚の炎症の程度やつける場所、年齢に応じて細かく使い分けられています。使用する場所や回数などを守ることが重要です。
 ステロイド外用薬を急にやめると、かえって症状が悪化することがありますから、自分の判断で使用をやめたり、いつまでも使い続けたりしてはいけません。医師の指示に従うことが大切です。

Q:軟こうの使い方を教えてください。

A:(1)保湿剤のぬり方

 適量の保湿剤を手のひらにとって、温めながらよくのばします。その後、手のひら全体で、皮膚全体にやさしく薄くぬります。すり込んではいけません。

 (2)ステロイド外用薬のぬり方
 指の先に必要な量をとります。発しんの出ている場所を中心に、なるべく正常な皮膚に薬がつかないようにぬってください。
 なお、外用薬をぬる前には、手をきれいに洗いましょう。

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皮膚保護剤の効果 皮膚がカサカサしていると、ダニなどアトピー性皮膚炎の原因物質が入りやすい。クリームやワセリンなどをぬって、カサカサをなくし、表面に油の膜をつくることで、皮膚を刺激から守ります。

 

いつでも元気 2002.12 No.134

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