くすりの話

2003年1月1日

くすりの話 61 インフルエンザの予防と治療

Q:インフルエンザとはどのような病気ですか。

A:インフルエンザの症状は発熱・頭痛・全身の倦怠感・筋肉痛・関節痛などが急にあらわれ、咳・鼻汁などがあとから出てきます。また、気管支炎、肺炎などを併発し、重症化することがあります。
 最近では、インフルエンザかふつうのカゼかをすぐ鑑別できる、「インフルエンザウイルス迅速診断キット」による検査が、診断に使われるようになりました。
 また、インフルエンザは短期間に子どもから高齢者までたくさんの人に流行する、という点でカゼとは異なります。
 インフルエンザの流行は、毎年11月下旬から12月上旬ごろに始まり、翌年の1~3月ごろにピークとなり、4~5月にかけて減少していきます。流行の程度とピークの時期はその年によって異なります。

Q:インフルエンザの予防について教えてください。

A:インフルエンザの予防には インフルエンザワクチンが有効です。インフルエンザにかかった人数は、この10年ほどを見ると、多い年では約128万人(1997-98年シーズン、死者 1400人)と報告されており、また2001-02年シーズンでは約34万人(死亡者300人)と報告されています。この間の死亡者数が減っているのはワ クチン普及のためといわれています。
 高齢者の場合、予防接種により、インフルエンザでの死亡を、およそ80%減らせるという研究データもあります。このように、インフルエンザワクチンは、万一かかった場合でも重症化を抑えるという効果が期待されます。
 接種の回数では、幼児から小学生は2回接種で3~4カ月の効きめが認められ、中学生以上は、高齢者まで1回接種でも同様の効果が認められます。
 ワクチンの副作用は非常に少ないのですが、今年「ギランバレー症候群」という副作用がまとめて報告されました。四肢麻痺という重い副作用で、回復まで2 カ月かかった人もいましたが、すべての方が回復しています。不安な方は医師と相談して受けてください。

Q:インフルエンザに効く薬はありますか。

A:2年ほど前からインフルエンザに効果のある薬が使われるようになりました。商品名「シンメトレル」と「タミフル」という内服薬です。また、ほかに吸入薬「リレンザ」があります。効果や副作用にそれぞれ特徴があるので、医師と相談して処方してもらってください。
 いずれの薬も、かかってから改善するまでの期間を短くしたり、重症化するのを防ぐことが可能ですが、発症後2日くらいに飲むのが、もっとも効果が高いので、インフルエンザにかかったようなら、早く受診されることをお勧めします。

いつでも元気 2003.1 No.135

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