くすりの話
1999年12月1日
くすりの話 34 副作用はイヤだけど…
Q:副作用のある薬はイヤなのですが…。
A:かぜ薬を飲んで眠くなったり、頭がボーッとなったり、また、痛み止めや熱さましで胃がもたれたり、痛くなったり…。そのほか抗生物質で発疹が出たり下痢をしたりなど、思わぬ症状が出てとまどった方も少なくないと思います。
薬は本来、かぜの症状を軽くしたり、痛みをとったり、炎症を止めたりするために使われますが、残念ながら期待した効果以外の作用が現れる場合があります。
薬の作用のうち、病気を治すのに都合のよい働きを主作用と呼び、体にとって都合の悪い働きを副作用と呼びます。すべての薬は副作用をおこす可能性がありま す。副作用のおこり方には個人差があり、症状もさまざまです。軽いものから重いもの、一過性のものから長く残るようなものまであります。なかには、命に関 わるような重大な副作用がおこることも、ごくまれにあります。
しかし、いたずらに副作用を恐れ、薬を指示どおりに飲まないことはよくありません。量を減らして飲んだ場合、主作用の効果が出ないことなどもあるからで す。もし副作用と思われる症状が現れた場合は、すぐにかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
Q:「薬のアレルギーはありませんか?」と病院で聞かれました。「薬のアレルギー」って何ですか?
A:薬によるアレルギーとは、副作用の一種です。 体質によってアレルギーはどの薬にもおこる可能性がありますが、とくに抗生物質や痛み止め、熱さましなどでおこる率が高いようです。アレルギーがおこるのは、その薬に対するアレルギー体質をもつごく一部の人だけです。
一度アレルギーをおこした人が再び同じ薬を飲むと、アレルギー症状が強く現れることがあります。アレルギーが出た薬は再び服用しないようにすることが大切 です。副作用をおこしたことのある薬の名前はかならず覚えておきましょう。
Q:鼻炎の薬を飲むと、眠くなって困るのですが。
A:鼻炎の薬には鼻水を止める目的で抗ヒスタミン剤と呼ばれる成分が配合されていますが、これは眠気を引き起こす作用も持ち合わせています。つまり、鼻水を止める作用が主作用、眠気を引き起こす作用が副作用というわけです。
アレルギーと違い、鼻炎の薬の眠気は、程度の差はあっても多くの人におこり得る副作用です。しかし、予測がつく副作用なので、あらかじめ患者さんが注意を していれば問題ありません。自動車の運転をひかえるなど注意すれば、薬は中止しなくても治療を続けることができます。
また、眠気の副作用は飲み始めにおこりますが、薬に慣れるにしたがって生じなくなるケースがほとんどです。
血圧の薬によっておこるほてりやふらつきなども飲み始めに現れますが、次第に慣れてくることが多いようです。
いつでも元気 1999.12 No.98
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