副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

1999年7月11日

副作用モニター情報〈141〉 98年下期のまとめから~ショック及びショック様症状

今期、ショックおよびショック様症状は26例報告されました。被擬薬は30件で、例年と同様NSAIDS6件、抗生物質6件および造影剤3件とつづいています。

〈ボルタレンによるショック〉
ボルタレン錠でショック2例、坐剤で血圧低下1例の報告がありました。錠剤は二例とも歯科で処方され、うち1例は呼吸停止など重篤な症状を呈していること から以前にアレルギー感作されていた可能性があります。ジクロフェナクナトリウム製剤は診療科目や年齢を問わず頻繁に処方される薬剤であり、高齢者や全身 状態の悪い患者には特に慎重な投与が必要です。

〈クラリシッドによるショック〉
抗生物質クラリシッドによるショックが3例報告されています。胃酸に対して安定で、経口吸入が良好であることから使用例が増えた結果、報告が増えたものと 思われます。3例中2例は服用後1~数時間経ってから症状が現れていることから、I型アレルギーかどうかの特定はできませんでした。

◇      ◇

その他、患者の自己判断による服用や、思い違いによる加量服用、飲酒と血圧低下の関連性が否定できない例などが報告されています。薬歴のチェックや患者への適正な服薬指導、薬剤変更時の指導などを徹底することで発現を未然に防ぐことがもとめられます。

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