いつでも元気

2003年10月1日

民医連創立50周年記念集会ひらく いのち輝く社会めざして

MIN-IREN いつでも元気
全国の仲間の力で5万部目標を達成

民医連50年いのち輝く社会めざして
21世紀を共同組織・民主運動とともに

全日本民医連は八月二三日、創立五〇周年を祝う記念集会を開きました(東京・椿山荘)。各界からの来賓・共同組織・職員など五二〇人が参加。半世紀の歴史 をかみしめ、「平和・人権・非営利」の共同のいとなみを、さらに前進させようと誓いあいました。『いつでも元気』も、全国でとりくまれた普及活動により五 万部目標を突破してこの日を迎えました。

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●平和であってこそ医療は輝く

 あいさつにたった肥田会長(写真)は、まず参加者への感謝をのべ、「この五〇年、倒産や経営危機、医療の 安全性の問題など、さまざまな困難にぶつかりながら『全職員と共同組織参加の経営』や『地域から点検され、ともに歩む医療と経営』などの教訓を得てきた」 と語りました。

 そして「結成以来、常にもっとも困難な状況におかれた人びとに寄り添い、『生活と労働』の場から疾病をと らえ、病気だけをみるのでなく、病気をうみだす根源にせまり、原因を取り除く活動にも力をそそいできた」「綱領決定から四〇年たち、いまの時期にみあった 私たちの目標を『医療・福祉宣言』として六項目にまとめた。この宣言と民医連綱領を携え、共同組織とともに前進したい」「平和であってこそ医療は輝く。日 本が戦争する国に舵を切ったいまこそ、戦争に反対し、核兵器のない世界の実現を訴え続けよう」と決意をのべました。

●「医療・福祉宣言」ビデオに感動

 ビデオ「医療・福祉宣言」も上映され、民医連の歴史と現在の歩みが感動を呼びました。また各事業所でつくられた「私たちの医療・福祉宣言」もCD ― ROMになっています。

 五〇周年記念事業の一つ「私と民医連」の手記募集では、共同組織から二人が入選。八年間に三千人以上の友 の会員を増やした福浦寛さん(北海道・道東勤医協友の会員)の「?増やしていいとも?に魅せられて」、両親の介護を通してみた民医連を描いた藤田越子さん (東京・桐ヶ丘健康友の会員)の「笑顔の向こうに民医連」。一六の入選作は、『民医連医療』11月号に掲載されます。

記念講演
世界に類がない先駆的運動
日野秀逸さん 東北大学大学院経済学研究科教授

 民医連運動と比べられる運動は、イギリス、ドイツ、アメリカ、ロシアなどに見られるが、三〇年間研究してきて、「やっぱり民医連運動は世界に類がない」というのが実感だ。その特徴は四つある。

 (1)自然科学と社会科学の目をもって生活問題の中心「健康」にとりくんでいる。
 (2)診療所・病院をもち、医師・看護師などの技術者を独自に養成し、医療を行ない健康問題を具体的に解決している。
 (3)全国組織をつくり、労働運動や社会運動と手を携えて活動している。
 (4)診療所・病院の周りにその所有者・運動の担い手として「共同組織」がある。

 こうした例は世界に類がなく、普遍的内容を先取りした医療運動といえる。

 現代は、社会的弱者が大量に生産され、個人の努力では追いつかない時代になっており、民医連が生活(健康)を重視してきたことは深い意味がある。しかも現在は国家権力と国民の力が拮抗し争う、歴史的にもめずらしい時代である。

100点以上の絵手紙が会場に彩りを
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 いまたたかいの主戦場は、医療や福祉の社会ケアサービスをどこが握るのかだ。自主的に組織された非営利・協同の組織か、営利会社か、それとも官制の組織か。

 福祉先進国スウェーデンでは分権と非営利・協同が大きな力を発揮しているが、じつはスウェーデンのある協 同組合は、日本の医療生協を視察して、医療も協同組合でやれると確信をもったという。日本の医療生協は世界のトップランナーにアイデアを与えた先駆的組織 なのだ。非営利・協同の組織である民医連運動のさらなる発展に期待したい。

 

いつでも元気 2003.10 No.144

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