声明・見解

2004年2月3日

【抗議声明2004.02.03】憲法9条を持つ国として、自衛隊のイラク派兵をただちに中止・撤退することを求める

2004年2月3日
全日本民主医療機関連合会
会長  肥田 泰

 私たち全日本民医連は、いのちと健康を守る医療人として平和を何よりも大切にしています。これまでもアメリカによるイラクへの先制攻撃に強く反対し、不法な占領と米英軍の支援のための自衛隊派兵に強く反対してきました。

 しかし小泉内閣と自公連立与党は、通常国会で国民の疑問になんら応えることなく一方的に審議打ち切り、イ ラク派兵承認案を強行採決しました。そして憲法と国民の声を踏みにじり、2月3日に陸上自衛隊本隊をイラクに派兵しました。私たちはかかる暴挙に強く抗議 し、ただちに自衛隊の派兵を中止・撤退することを求めます。
 敗戦後58年間、他国への軍隊派兵を行わず、武力による死者を1人も出すことなく築いてきたわが国の平和は、憲法9条と国民の努力によるものです。自衛 隊のイラク派兵はこうした戦後史に重大な汚点となる許すことの出来ないものです。

 1月28日のアメリカ上院公聴会でデビッド・ケイ前イラク調査団長は、大量破壊兵器がなかったことを明確に証言しました。これは、イラク侵攻を進めた米 英に戦争の大儀がないことをあらためて明らかにしました。また、始まったばかりの国会審議では、イラク現地の治安状況ではウソの報告を行い、調査に行った 先遣隊の帰任報告書が事前につくられていたことなど、「日米同盟優先・派兵ありき」というなりふり構わぬ小泉内閣の姿勢は、主権者である国民を愚弄するも のです。
 しかも政府与党は「派遣先の安全」「現地の情勢は悪化していない」と繰り返しますが、この1月までに米兵の死者は500人を超え、連日のように占領軍や イラクの親米勢力がテロ攻撃におそわれています。この間、小泉内閣に「旗幟を鮮明にせよ」「グランドに出よ」と背中を押し続けてきたアーミテージ米国務副 長官さえ「イラクに安全な場所はない」と2月来日時に言明しています。だからこそ自衛隊本隊は無反動砲・装甲車などの重装備でイラクに赴きました。

 いま、広範な国民は、自衛隊の派兵中止を求めています。戦争反対・自衛隊の派兵反対の集会やピースウオークが全国各地で行われています。450の地方議 会や自治体からも派兵反対・中止の意見書が採択されています。
 初めて署名行動をした宮崎の一女子高生が「自衛隊の撤退をもとめる署名」5358名分も集めて小泉首相に届けました。この署名は「自衛隊や各国の軍隊の 撤退を呼びかけること、国民の安全に責任を持つべき一国の首相として勇気ある行動を」求めています。これに対して小泉首相は「自衛隊は平和に貢献する。教 師はイラクの事情をもっと教えろ」と言ったと報道されています。真剣に平和を願う高校生の行動を侮辱する発言であり、いま真剣に憲法を学ぶべきは小泉首相 本人ではないでしょうか。

 高校生の署名でものべられているように、アメリカの占領支配をやめさせ自衛隊も米英軍も撤退すること、国連の枠組みでの人道復興支援を行うこと、イラク 国民の手によるイラクの復興と統治を進めることが、平和憲法を持つ日本が行うべき真の国際貢献です。
 私たちは民医連は、平和を愛し、いのちを守る医療人として、自衛隊のイラク派兵に断固として反対し、ただちに撤退することを強く求めるものです。

以上

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