医療・看護

2017年2月7日

〈民医連〉第7回被ばく医療セミナー 被爆者運動や原発事故被害者の現状学ぶ

  一月二一~二二日、全日本民医連が被ばく医療セミナーを東京で開催しました。企画は今回で七回目、一七県連から、職員や医学生が参加し、関係者含め六七人となりました。
 弘前大学の床次眞司教授(同大被ばく医療総合研究所)の「放射線被ばくによる人体への影響」と題した記念講演に加え、ノーモア・ヒバクシャ訴訟やビキニ国賠訴訟などの被ばく者運動や福島の現状を学ぶ五講座でした(詳細下項)。

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 第三講座の講師、松本純医師・被ばく問題委員(福島・生協いいの診療所長)は、県民健康調査の概況と事故後の福島県民医連のとりくみを報告。また、子どもの甲状腺がんに関して、同県連の被ばく事故対策委員会が昨年秋に確認したスタンスを紹介。「現段階で、『多発』とみることも、原因を原発事故だと断定することにも違和感がある」と前置きし、「低線量なりに健康影響の可能性はある。子どもたちを長期に見守る」こと、県内で不足する甲状腺エコー検診の担い手として、受託をめざしている、と紹介しました。
 第四講座では、事故原発の現場が高線量で汚染水問題にもめどがたたないこと、無理な工程で労災が起きている現状や、賠償打ち切りなどの県民切り捨て策の問題が語られました。
 また、全日本民医連の「緊急被曝事故マニュアル」の新版案を今回初めて提案(第五講座)。
 「福島の問題は終わったかのような言い方をする人もいるがそうでない。この二日間で『忘れてはいけない』と深く認識できたと思う」と、被ばく問題委員会の藤原秀文委員長がまとめ、受講者の今後の奮闘を期待しました。


講座内容
第1講座…核兵器禁止条約への流れとノーモア・ヒバクシャ訴訟◆第2講座…ビキニ国賠訴訟の経過と課題◆第3講座…福島県民健康調査と福島県民医連の取り組み◆第4講座…原発事故から五年一〇カ月、福島の現状とたたかいの展望◆第5講座…緊急被曝事故(災害)への対応マニュアル新版案の提案

(民医連新聞 第1637号 2017年2月6日)

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