介護・福祉

2017年5月23日

相談室日誌 連載427 地域のケアマネで自主勉強会を開いて(東京)

 四月下旬の夜、地域の様々な法人・企業で働くケアマネが二〇人近く集まりました。目的は「介護保険制度がどう変わろうとしているのか、その影響をどう予測し、何ができるのか」を学び、出し合うこと。「介護報酬やサービス単価が決まったら話し合うことじゃないの?」「今さらできる事があるの?」などの疑問は現場で実感、「傍観者じゃアカン」「一人で考えても難しすぎ」と、地域のケアマネの会有志で呼びかけた自主勉強会です。
 法案のポイント、その背景にある政府・厚労省や財界の問題意識などを、公開されている資料を読みながら、言葉の意味や現場で感じる問題とすり合わせる作業から始めました。「『全市町村へのインセンティブ』って? これは自治体にやる気を起こさせてお金の見返りを出すってこと? 今後介護認定審査はどうなるの?『和光市や大分県が先進的なとりくみ』と述べているが本当か? 詳しく知りたい」「障害者が六五歳になった時に起きる問題の解決は必要だし、『地域共生社会』は富山県モデルが話題だけど、そこで働く職員の専門性はどうなるの? 人不足の解消が目的?」「ケアプラン作成にAI(人工知能)を活用だって? 大手企業が動いて新会社を設立したそうだけど、利用料三割負担や高額介護サービス費の見直しの一方で、AIを活用するには国から企業に相当なお金が動くんでしょ」「前回改定で最後に実施されるのが、来年四月からの『居宅介護支援事業所指定権限の市町村への移行』。これからはますます私たちが地域でどんな発信をするのかが問われていると思う」。
 尽きない疑問を参加者同士で答えあい、課題が見えてきます。三年ごとの制度改定、来年は医療と介護同時改定です。「制度が変わると仕事が変わる、仕事が変われば地域の暮らしが変わる」。ここからいっそう職場内外、法人内外で旺盛に「対話と提案」を積み重ねることが、ケアマネ自身の、そして職場・法人や地域の力を育む貴重な一年です。

(民医連新聞 第1644号 2017年5月22日)

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