声明・見解

2004年7月12日

【声明・アピール2004.07.12】第20回参議院選挙を終えて

2004年7月12日
全日本民医連事務局長 長瀬文雄

 参議院選挙での奮闘、本当にご苦労様でした。
 私たち民医連は、「平和といのち、人権を守る」立場から、悪政をすすめる小泉政治の転換を願い民医連新聞号外100万枚、憲法手帳6万冊を発行し、職 員、共同組織の中で学習と対話をすすめてきました。
 今度の参議院選挙は、世論調査にもあらわれたように「年金改悪を元にもどすべき」67%(朝日)、「消費税増税に反対」66%(東京)、「自衛隊は多国 籍軍に参加すべきではない」77%(東京)、「憲法9条は変えるべきではない」66%(東京)など争点は明確でした。日本医師会も「小泉政権は経済原理至 上主義であり、医療や福祉にはなじまない、真の改革は人間回復の論理ですすめるべき」(記者会見)と明確に小泉政治を批判しました。
 選挙の結果は、「自民党の敗北」となり小泉政治に厳しい審判を下しました。しかし、多くの国民の悪政への「いかり」が、「自民か、民主か」の大きな流れ がつくられる中で、政策的には自民党と大差のない民主党に流れる結果となりました。民主党は多くの議席を得ました。国民が民主党に期待した「年金改悪反 対」「消費税増税反対」「憲法9条守れ」「医療、福祉を守れ」という願いと民主党の掲げる政策との間には、明確な「乖離」があります。民主党がこの期待に 背くことがないよう厳しく監視することが必要です。
 今回の選挙への取り組みの中で実感したことは、私たちの主張が否定されたわけではなく、多くの人々との共感を広げたことでした。平和を守り、社会保障改 悪を阻止し、くらしと医療・介護を守るたたかいの上で重要な意味を持つ今回の参院選のとりくみを通じて、多くの経験や教訓が生まれました。大いに学びあ い、さらに連帯と共同の輪を広げ、職員、共同組織の仲間とともに悪政に立ち向かう新たな決意を固めあいましょう。
 「おまかせ」の政治では、要求を実現することはできません。朝日訴訟、水俣病はじめ公害運動、労災職業病など国民の権利と社会保障前進の歴史が教えてい るように、国民参加のねばり強いたたかいと運動が重要です。
 加藤周一氏、大江健三郎氏、井上ひさし氏など9氏がよびかけた「9条の会」アピールへの共感が広がっています。全日本民医連は幅広い医療人による賛同ア ピールに力を注いでいます。原水禁世界大会が近づいています。第一回評議員会では毎月9日、25日を「平和と人権を守る行動デー」としようとよびかけま す。私たちがあきらめたら、平和も、そしてあの患者さん、利用者さんを守ることはできません。
 歴史をつくるのは、私たち自身です。奮闘をたたえ合い新たな出発の決意を固めましょう。

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