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2017年12月29日

認知症Q&A 
認知症デイサービスの利用

監修 大場敏明医師

 認知症デイサービスの概要と選び方について、「のどか(和)新三郷」(埼玉県三郷市)施設長の増子大道さんに聞きました。

 認知症デイサービス(認知症デイ)の正式名称は、「認知症対応型通所介護」と言います。一般のデイと違い、医師から認知症と診断された方のみが利用できます。
 認知症の人は一般のデイサービスも利用できますが、周囲の人と馴染めなかったり、利用者の人数が多い中では適切な支援を受けられないこともあります。
 認知症デイは一日の利用者が最大12人と少人数で、それぞれに合わせた支援ができます。さらに本人のできることを探り、それを維持できるように支援したり、細かいところまで利用者を観察することも特徴です。

認知症デイの選び方

 選択にあたっての注意点ですが、まずは施設ごとに雰囲気が大きく変わることを知っておいてください。「介護保険に基づいた施設だから、どこも同じような感じだろう」と思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。
 認知症の人は、介護している人の対応や置かれている環境で病状が悪化する可能性があります。施設のスタッフが認知症についての正しい知識や技術、そして利用者を人として理解し支える姿勢を持っているかが施設選びのポイントです。
 こうした点を確認するためにも、施設へ見学に行くことをお勧めします。利用している方々がゆったり、穏やかに過ごせているか、利用者が尊重されているかなど、利用している方々の表情や態度から施設の大まかな様子が把握できます。
 また、フロア内の明るさ、室温といった環境が整備されているかも大事なことです。認知症の人はご自身から室内の明るさや、寒い暑いなどの表現ができなくなっている場合もあります。スタッフの利用者への気配りについても確認しておきたいですね。
 認知症の病状は徐々に進行し、次第に今までの生活がしづらくなります。スタッフが何でも介助するのではなく、なるべく利用者本人が身の回りのことを続けられるような支援が必要です。
 そのためにも、施設と家族との生活情報の共有がとても大切です。スタッフが施設におけるトイレや入浴の様子を細かに観察し、自宅で介護している家族へ助言をしてくれると安心です。

介護の道筋も相談できるか

 本人にとって、事業所が居心地の良い環境(馴染みの環境)になると通うのも楽しくなるものです。試しに施設の行事に参加してみるなど、体験利用もしてみたいですね。
 認知症は病気の種類によってそれぞれ特徴があります。本人の病状と進行度に合わせた支援も確認しましょう。スタッフが医師から処方された薬の効果と副作用をよく観察し、必要とあればかかりつけの医療機関に薬の変更などを助言してくれると、なお安心です。
 施設内にとどまらず、地域の行事やさまざまな作業に参加して、本人に生きる意欲がわくようなプログラムもあればいいですね。家族は徐々に進行する病状に不安になるものです。今後の介護の道筋について、家族の相談に応じてくれるかについても、確認しておくと良いでしょう。

いつでも元気 2018.1 No.315

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